「経営の神様」の異名で知られる松下幸之助が94年の生涯に幕を閉じたのは平成元年4月。今年でちょうど没後30年を迎えた。平成の企業史を辿ることはつまり、松下亡き後の時代を振り返ることと丸ごと重なる。
間もなく元号が変わる今こそ、大巨人の生き様から成功へのヒントを見出すことが必要なのではないだろうか。このコーナーでは、松下の側近として23年間仕え、数々の著書や講演などで松下経営の真髄を伝えている‶松下哲学の伝道者″江口克彦氏の言葉から、ポスト平成の新時代でも通用する経営テクニックをお伝えする。(Soysauce Magazine Online編集部)
【連載】松下幸之助流、「勝てる経営、負ける経営」
【松下幸之助①】「勝つ美学」に走り「勝ち方の美学」を忘れた平成経営者~東芝、三菱自…「成果主義経営」が大手企業もダメにした~
【松下幸之助②】グローバル時代で生き残る3つの経営キーワード「変身」「コラボ」「駆逐艦」~対応上手な東レ、富士フイルム、ファミマ~
【松下幸之助③】「3,000台じゃなく30万台作れ!! 残ったらワシが全部買うてやる!!」~経営者に求められる「センス」「判断力」と「飛び込む度胸」~
【松下幸之助④】月に100時間残業しようとも、「感動」させれば社員はついてくる~絶対にクビを切らない「社員は宝」の精神~
◇江口 克彦(えぐち・かつひこ)
1940年2月1日、名古屋市生まれ。松下電器産業入社後、PHP総合研究所へ異動。松下幸之助の側近として23年間過ごした。2004年に同研究所社長に就任し、09年に退任。10年から参議院議員を1期務めた。松下に関する著書が多数あり、講演にも定評がある。