会社と社員と株主は「運命共同体」。社長の考えを全員に伝えるシンプルな方法

「良い会社」とは何でしょうか?今回は、私がサラリー社長としてずっと考え、会社経営にも採り入れ、目指していることについてお話ししたいと思います。(ディーコープ社長 谷口健太郎)

それでは社員に伝わらない。社長によくある伝え方の勘違い

私は途中のブランクを除き、社長業を10年やっています。社長になって3年目くらいから今に至るまで、社員の皆さんには「良い会社にします。良い会社にするために頑張ります」と言い続けています。

ただ、言われている社員の方からすると、疑問があったようです。ある年の新年度のキックオフ大会終了後、社員のアンケートに「社長は良い会社にすると言うけど、社長の言う良い会社って何ですか」という質問がありました。

私としては、抽象的な「良い会社」という概念だけを持っているわけではありません。自分の中で「良い会社」という具体的なイメージはハッキリと持っていました。ですから、いつも自分の「イメージの断片」を、いろんな言葉で、さまざまな機会に伝えているから、自分の「良い会社」のイメージがきちんと社員にも伝わっているものと、自分勝手に「勘違い」していたのです。

冷静に考えてみたら、「断片」しか話してもらえていない社員の方からすると、全体像が分からない中で、バラバラと聞かされる「断片」それぞれの連続性や関係性が分かりづらいわけです。だからこちらのイメージを理解するのは困難なのだと気づかされました。「気づくのが遅い」と言われれば、そうなのですが、「自分の思いは他人にも伝わっている」と思い込んでいることは、しばしばあるものです。

「良い会社」のイメージは「絵」で伝えよう

そのアンケートをきっかけに、自分の「良い会社」というものをもう一度、1から言葉で積み上げ「整理整頓」をしました。その上で、文字や言葉だけでは分かりづらいので、絵にもしてしまいました。

絵にすると、これまであまり分かってもらえなかったことも、ストンとイメージも含めて伝わり、共通のコンセプトや言葉で話せるようになります。絵の力は改めて凄いと思っています。

これが私の会社の描いている「良い会社」の絵です。盛りだくさんなので、少しずつ紐解いていきたいと思います。

まず、この絵の中で目立つ真ん中の大きな木が、最も大事なところです。「イイ会社」というものを「個の成長」「コミュニケーション」「役に立っている」「儲かっている」の4つの要素に分解しています。

でも、今回はこの4つの要素からお話するのではなく、私が「良い会社」ということを言い始めるきっかけになった「コンセプト」が描いてあるところがあるので、そこから説明をしたいと思います。

それは、「1人1人の夢の片棒を担ぐ」ということです。赤丸で囲っている、左側の真ん中より少し下にそう書かれています。

これを会社の中で実現できたら・・・というか、これを目指して経営をしていけば、社員のみんなと「一つの目標」に向かっていけるのではないか、と思ったからです。もしかしたら、これは勝手な妄想かもしれないのですが、私の中ではもの凄くしっくりくる考え方なのです。

「会社」と「社員」と「株主」の理想的な関係は?➡

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