【日本版IR】カジノはゴルフのような「大人の社交場」になり得るか?

ありもしない〝必勝法〟とか〝確実に儲かる〟なんて、虫の良すぎるノウハウをお伝えするつもりはありません。カジノ歴はもうすぐ30年。これだけの長い期間、ボクが世界中のカジノと付き合い、楽しんでこられたのは、ブラックジャック(以下、BJ)との出会いがあったからなんです。そりゃあ、高い授業料を払ったこともあったけど、それでも毎年数回は、どこかの国のカジノに遠征し、今でもご飯が食べられている。だったら〝負けていない〟と言わせてもらってもいいかと思うわけで・・・。

カジノの醍醐味「ブラックジャック」の必勝法

バカラの魅力と魔力の虜になったこともあるし、前回まで解説したポーカーも好き。根っからのアナログ・ゲーマーのボクですが、BJテーブルに初めて座ったときの感覚は、ちょっと違いました。

「これ、勝てるんじゃないか?」という直感。

それは、数学者エド・ソープ教授が1962年に発表した「BJ必勝法論文」を知り、90年代のMIT(マサチューセッツ工科大学)の頭脳集団による「カジノ荒らし」を聞いたときに、確かな「手応え」へと変わりました。

88年に上映され、第61回アカデミー賞で作品賞のほか、計4部門を受賞した名作『レインマン』は、BJのシーンが見せ場。盛り上がりがピークに達します。ロケ地はラスベガスの老舗カジノホテル「シーザース・パレス」。トム・クルーズ演じるチャーリーは、ダスティン・ホフマン(この作品でアカデミー賞主演男優賞)が役になり切った兄レイモンドの、奇跡的な記憶力に気がつきます。

重いサヴァン症候群(自閉症の症状)を抱えるレイモンドですが、それ故に、数字と記憶に関しては驚異的な知能を持ち、トランプのカードなら自然と6デッキ(52枚の組×6)だって覚えてしまう。これで「大儲けできる!」と確信したチャーリーは、レイモンドを連れてカジノに乗り込みます。

レイモンドの「悪いときは1枚、良いときは2枚」が、BJの必勝法に通じる大事なセリフ。なぜ、「良いとき」があるのかは、もう少しルールを紹介してからの方が面白いでしょう。実際には〝必ず〟勝てるわけではないけれど、「必勝法論文」は、着実に勝ちに近づいています。

カジノはすべて運任せ?

ただここで「アレッ?」と思った人がいるのではないでしょうか。これまでに何度も触れてきたように、カジノは「スキル(=技能)」で勝敗が決まるゲームを法的には持ち込まないはずです。IR整備法では「カジノ行為」を「偶然の事情により金銭の得喪を争う行為」に限定しています。つまり、「運まかせで勝ち負けが決まるゲーム」しか、カジノで遊べる対象にはならないのでは、という疑問が生じますね。

それはご心配なく。BJは真っ当な「運ゲー」です。

レインマンで扱われた大儲けは、「たま~に訪れるチャンス」を「人間ワザ」とは思えない記憶力で最大限に生かしたもの。もちろん、映画ならではの誇張もあります。

ハウスエッジ=カジノ側の取り分に変更はありません。6デッキのBJでのハウスエッジは0.62%。プレーヤーである我々の立場からみると、期待値は99.38%です。カジノ側は、みすみす損をするようなゲームは採用しません。

日本版IRのゆくえは?➡

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