【アドバンスト・メディア会長 鈴木清幸】「GAFA」を超える企業のつくり方

「GAFA」にも勝てる根拠

松室:はじめはグーグルの音声認識の性能もかなり低かったですよね。

鈴木:そうですね。でもグーグルが大宣伝をしてくれたおかげで、皆さんの興味が少しずつ湧いて、音声認識の「文化」ができ始めた。11年にはSiriが登場し、ますますみんな興味を持った。さらにディープラーニングが発見されて、第三次AIブームが起こるわけです。

私が22年前、「音声認識が当たり前になる世界を作ろう」とアドバンスト・メディアで事業を始めて、ようやく「音声認識の時代が来た」と言われるようになりました。

松室:10年以上前からアドバンスト・メディアの音声認識メールの精度はものすごく高かったけど、それでも普及しないという現実があったわけですよね。

鈴木:そうですね。あの当時一般的には音声認識なんて言葉もないし、もちろん皆さんも知らなかった。市場なんてなかったわけです。それがいまでは、会議議事録やコールセンター、医療など7つの市場をつくることに成功しました。

松室:鈴木さんが冒頭で言った「GAFAに勝てる」とはどういうことでしょうか?

鈴木:私たちの技術は、GAFAを既に超えています。だからビジネスでも当然、GAFAに勝てるんです。どういうことかと言いますと、彼らは音声認識において「汎用エンジン」しかつくれない。汎用ということは、どのような音声も認識はしてくれますが、その精度はすべてにおいて最適なものであるわけではありません。なぜなら、すべてのデータを同じように学習してしまうからです。でもユーザーの思いや使いみちは個々それぞれに違うので、汎用では結局、使い物にならないんです。コンシューマービジネスはそれでもいいですが、一般ユーザーからお金を取るわけにはいかないので、儲けるために必要となるのはBtoBで役立つ音声認識エンジンなんです。

私たちは、用途に応じた個別の音声認識エンジンをつくっています。議事録とか、コールセンターとか、医師のカルテ作りとか、ある目的のために個別に特化した専用のエンジンをつくっている。これができるのは私たちしかいないんです。

さらに言うと、AIの時代ではデータが全てを物語ると言われています。私たちはBtoBの世界で22年間もデータとノウハウを蓄積してきた会社です。でもコンシューマービジネスをやってきたグーグルには、BtoBのデータとノウハウはありません。だからGAFAにも勝てるんです。

松室:グーグルに買いに来られることはありませんか?

鈴木:現実的にはないだろうと思います。彼らは音声認識を集客に使っているだけで、本格的なBtoBビジネスにしようと思っていないですから。私たちは音声認識で儲ける会社なので、ビジネスのドメインが少し違います。競合になっていないんですよね。

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