なぜワイモバイルのCMは頭から離れないのか?

「流行る」8要素を網羅するワイモバイルのCM

ここのところ「ワイモバイル」のCMが不思議と印象に残る。巧みにツボを心得たフレームワーク、憎たらしいほど「わかってる」タレント起用、当たる「間合い」。勝手知ったる「手練の仕業」を感じるのだ。

「ウケるCM」「流行るCM」には、だいたい以下の「王道ど真ん中」の要素がある。

①印象のある音楽・歌い込み
②楽しいダンス・振り付け
③ダジャレ
④子供
⑤可愛い子ちゃん
⑥イケメン・ニューフェイス
⑦動物
⑧小ネタ(マニア向け)

「ウケるCM」「流行るCM」には、この「8つのタネ」のどれかが潜んでいる。どれをどう選んで育てるのかは、クリエイターの腕次第。ワイモバイルのCMは、このタネを網羅しながら、上手に、えげつなく、それでいて敷居が低く、親しみやすいCMを展開している気がする。そしてそれは、ワイモバイルの「ブランド」の確立であり、広告展開が「軌道に乗った」とも言える証左だ。

「学割」のCMでは、女優の吉岡里帆と芦田愛菜が元気いっぱいにキレキレのダンスを披露している。かわいらしさ全開で、部活と青春を表現したダンスは、2人のファン(ターゲット層)からも好評だ。

では、上記のCM『「と思いきやダンス」編』を、「8つのタネ」の視点からクリエイティブ要素を整理してみよう。

まずこのCMは、高校野球の試合で投手が振りかぶってボールを投げると同時に、1990年の大ヒット曲『Everybody Dance Now』の替え歌が流れ、「と思いきやダンス」が始まるという場面からスタートする。(①印象のある音楽・歌い込み、③ダジャレ)

野球部の投手役は、「MEN’S NON-NO」専属モデルの中田佳祐(⑥イケメン・ニューフェイス)。彼らの「と思いきやダンス」(②楽しいダンス・振り付け)に続いて、教師役の吉岡里帆(⑤可愛い子ちゃん)、野球部のマネジャー役の芦田愛菜(④子供)が、「指でスマホを操作する振り付け」やワイモバイルの「Y」を表現する巧みで元気なダンスを披露する。

スタジアムの応援席には、マニアに人気のモデルでYouTuberの「ねお」ちゃんの姿が(⑧小ネタ)。バックダンサーには、お馴染みのネコキャラ「ふてにゃん」が「かぶりもの」で、しっかり踊っている(⑦動物)。このCMには、上記の「8つのタネ」が巧みに組み込まれている。

ちなみに、「と思いきやダンス」を歌うのは青山テルマという妥協なき悪ノリだ。振り切っている。

吉岡里帆がCMに引っ張りだこな理由は?➡

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