売りか、保持か?「ソフトバンク株公募割れ」から見えてくる企業の可能性

銀座のお客様がそっと教えてくれた成功する資産術<その四>

こんにちは、浅川です。先日、お客様が息子さんの20歳になった記念に銀座デビューということで、ご一緒に来店していただきました。普段と違う父親の顔を垣間みることもでき、楽しい一時でした。その時の会話をご紹介します。<前回の記事はコチラ>

いまだに初値を上回れないソフトバンク株

お父様「おまえは、どういう仕事をしたいの?このお店のママは、色々な企業の方達を知っているから色々と教えてもらいなさい」
ご子息「決められたレールで安定した会社よりも、新しい事にチャレンジさせてくれるような企業に就職したいと思っています。お父さんとママの目から見て、そういう魅力的な企業ってどこでしょうか?」
お父様「長年、金融機関に勤めていたけど、そういう企業は上場企業では本当に少ないな。強いて言えば、リクルートとかサイバーエージェントぐらいかな。ママはどう思う?」
「オーナー企業のトップは新しい事を率先してやっているような気がするけれど、銀行や親会社からトップが出向、というか天下りしてくる企業だと、思い当たる節がほとんどないわ。新しいことを大企業のスケールでしたいのであれば、オーナー企業のほうがずっと可能性があるかも」
ご子息「自分の大学の先輩達の就職先は、銀行とか証券会社が多いです」
お父様「東大や京大の学生は、コンサルタント会社への就職が増えたといっても、相変わらずメガバンクへ進む人も多い」
「中国の東大といえる北京大学とは大違いですよね」
ご子息「北京大学の優秀な方は米国のIT企業とか投資銀行に就職しているのですか?」
「それが違うのよ。北京大学の就職先ランキングの1番は、華為(ファーウェイ)、2番が騰訊(テンセント)、3番目が世界最大の銀行である中国工商銀行よ。ファーウェイは上場していない企業だけど、日本では東大、京大の優秀な人たちが未上場企業への就職率は低いというか、ほとんどないわよね」
ご子息「心配じゃないのかな?」
「でも、銀行の初任給は21万円ぐらいでしょ。ファーウェイの初任給は日本法人でも40万円、深センの本社だと80万円くらいと言われているから、大きな違いだと思うわ」
お父様「そんなに違うの!?ファーウェイは昨年のソフトバンク上場直前に問題になった企業だったよな。ところで、ママはソフトバンクのIPO(新規上場)の株は買ったの?」
「そもそも、なんで上場するのか不思議だったけど、政府が通信料金を3割下げると言っているので、あんまり気乗りがしなかったけど、証券会社とのお付き合いでちょっと買ったわよ。上場前から公募割れも囁かれていたけど、案の定、公募売り出し価格 1,500円で、初値 1,463円の公募割れ。未だに初値を上回れないでいるわよ」
お父様「まあ、親会社があれだけ有利子債があるから、何かの償還に資金が必要だった上場かもしれないな。公募割れの原因になったのが、インターネット網からのファーウェイ製機器の排除だったよな」
ご子息「そもそもファーウェイってどんな企業なのですか?」
お父様「世界のスマートフォン出荷ベースではトップのサムスンに次ぐ2位。ファーウェイがアップルを抜いたのがニュースになったよな」
「世界で今、最もブランド力が伸びている企業ともいえるわ。Twitter の @Huawei Mobileを見るとよくわかるわよ」

公募割れを続けるソフトバンク株を保持する理由

お父様「ところで、ママは公募割れしたまま、ソフトバンク株はまだ保有するの?」


「知人の金融関係者はTOPIX組み入れ、日経225組み入れを期待している人もいるけれど、私は実はソフトバンクグループとファーウェイの蜜月が継続できるのなら、保有してみようと思うの」
お父様「ふーん、なんで?」
「『経済界』の3月号に掲載されている『米中経済戦争の象徴となった「ファーウェイ」強さの秘密』という記事を読んだんだけど、ファーウェイはスマホに関するすべての基幹部品を自社で開発、製造しているのよ。特にインフラ(基地局)の世界シェアは2017年に27.9%とトップで、エリクソン、ノキアを抜いて最先端の企業。だから今後、ファーウェイは5G通信インフラにはなくてはならない企業だと思うの。ソフトバンクグループがファーウェイとの蜜月を続ければ、株価が公募価格割れしたソフトバンクも5Gでは日本の販売でリードできる可能性があるような気がするのよね〜」
お父様「5Gは日本の富士通、NECも基地局があるけど、富士通やNECはドコモがメインだから世界シェアはとれないしな」

ソフトバンクホークスの筆頭株主はファーウェイ 

ご子息「でも、今回、米国と日本でファーウェイを排除することになったらどうなるんですか?」
「そうなったら、私、すぐソフトバンク株を損切りするわ。でも、ファーウェイはスマホだけでなく、半導体の開発でも世界をリードしている企業だから、排除できないと思うわ。この前、ファーウェイが折りたためる携帯を完成したというニュースを読んだし、可能性があるのよね」
お父様「野球のソフトバンクホークスだって筆頭スポンサーがファーウェイだから、今後どうするんだろう?」


ご子息「卒業までにあと2年あるから、ファーウェイのような企業をもっと研究してみます」
お父様「それがいいよ。アマゾンだって最初、日本人からはインターネットで本が売れるのかよ⁉︎って言われていたけれど、今では時価総額世界一になった。日本企業にこだわらないで面白いと思う企業に就職したほうがいいかもよ。あと2年もしたら銀行の仕事の多くはAI技術に取って代わられる可能性もあるからな」

◇浅川 夏樹(あさかわ・なつき)
銀座のママ、投資家、経営者
20代から銀座の有名クラブでホステスとして活躍。その後独立し、自ら数店舗のバーを立ち上げる傍ら、企業のコンサルティング、投資、セミナー、新聞・雑誌への連載執筆などの活動を行なう。現在は「お茶屋バー銀座八仙花」のオーナー経営者。ワインをはじめ、株式から不動産までさまざまなジャンルの投資に精通している。「夜の銀座の資本論」(中公新書)、「ETF」、「グローバル化時代の資産運用」(パンローリング)など著書多数。

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