もし社員が「白血病」を発症したら、人事や総務はどう動けばいい?

競泳の池江璃花子選手が公表したことでにわかに世間の注目を浴びている「白血病」。「原因は不明。遺伝子損傷による血液細胞の異常だが、遺伝性のものではなく、疲労やハードワークなどとの関係も、医学的には研究報告はない」(水野克己・昭和大学主任教授)というなんとも理不尽で「神の与えた試練」としか言いようがない病気だ。「だれもが」「いつでも」発症する可能性がある白血病。もし働き盛りの社員が発症した場合、経営、特に人事や総務部門としては、どのような対応をするのがベストなのか?またどのような「備え」をしておく必要があるのだろうか?(Soysauce Magazine Online編集部)

まずは社員の「病欠」をカバーする体制づくり

若年層の「がん」として最も多いのが実は白血病だ。乳幼児の「白血病」の場合、その9割は回復するとも言われ、高齢者でも6割以上が社会復帰できるようになったとされている。

したがって、もしある日突然社員が「白血病」を発症したとしても、企業には復帰を前提に、冷静に対応を進めていくことが求められる。

グローバル企業のCHRO(最高人事責任者)である中島豊氏は「勤務と治療の両立を目指す。医療サイド、本人と連携を取りながら、働くことを継続してもらうためにどのような方法があるのかと言う視点で職場での対応を考えるのが基本」としている。

「白血病」には大きく分けて「急性」「慢性」があり、原因については「骨髄性」と「リンパ性」などに区分される。『国立がん情報センター』
この白血病の「種類」に応じて、治療方法、入院期間・頻度、外来通院・服薬方法などは異なる。社員本人の了解が前提とはなるが、職場(現場+人事部など)、医療、患者関係者(家族、親族など)で病状についての「情報共有」を行い、本人の社会参加、社会復帰を支援する「チーム」を作ることが、治療開始当初から非常に大切だ。

特に「急性白血病」の場合、発見から即座に「治療開始」となり、6か月程度の入院が一般的となる。その間、抗がん剤が効いて、白血球が減少している間は無菌室での入院となることも多い。会社としても、まずは社員の「病欠」をカバーするための人員補充、役割の再配分などの手当が早急に必要となる。

人事、総務に求められる「緊急事態」への備え

「当該社員の所属現場には、白血病についての基本知識、対白血病克服のプラン、復帰までのタイムスケジュールを大まかでも良いので周知して、まず現場で協力してもらう『下地』を作ります」(中島氏)

「だれでも」「いつでも」罹患する可能性のある病気であることが理解できれば、上司や同僚も我が事として「白血病」を認識することができ、当該社員への協力も得られやすくなるだろう。

もちろん退院後は、定期的な外来での治療、検診が必要となるが、本人には無理のない範囲で早期に勤務に復帰してもらうことが大切だ。時短勤務、配置転換、通院などについてのフレキシブルな対応も、可能な範囲で検討して「勤務と治療の両立」を目指していく。

「コストをかけて採用・育成してきた社員が働く意欲を無くして辞めていくのは、会社にとっても大きな痛手。会社が率先して『働ける環境』を整えることは有益なリスク管理ですし、会社や同僚から必要とされて『働ける環境』を本人が手にすることは、治療効果を上げる面からも大変に意味があります。また、こうした社員の緊急事態に人事部、総務部などが頼りになるということを示すことは、社員の勤労意欲や会社へのロイヤリティを高めることにもつながります」(中島氏)

白血病に限ったことではないが、くれぐれも病人に対して「期待していたのに『がっかり』だ」といった声を掛けたり、「会社の規定に無いので対応できない。残念だが自己責任」といった心ない対応をしたりしてはいけない。他の社員の士気を喪うという、大きな損失につながりかねないからだ。

こうした基本を押さえた「緊急事態」の対応は、無事の時から人事部、総務部などを中心にシミュレートして「備えて」おくことが、いざという時に役に立つだろう。

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