コンサルタントの論理思考「MECE」とは?アップルの売上を例題に解説!

【インヴィニオ代表 土井哲】デキるビジネスパーソンへの「自分開発講座」⑨

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コンサルタントも活用する「MECE」とは?

前回から「ロジックツリー」という「考具」を紹介しています。

「ロジックツリー」とはその名の通り、ある事柄を「論理的に分解」しながら、ツリー状に整理することです。問題が発生していて、問題の箇所を特定するために、どこに問題があるのだろうか、と仮説を立てる時に使います。問題をやみくもに調べる前に、まずどのような可能性があるのかを一通り考えて、効率よく調べていこう、というわけです。ですので、いわゆる「仮説思考」を支える道具という見方もできます。

論理的に可能性を分けるときに重要なのが、「MECE(ミーシー)」という概念です。これは、マッキンゼーという会社が作った造語で、Mutually Exclusive,Collectively Exhaustiveの4つの単語の頭文字を並べたもの。直訳すれば「互いに背反的で、足し合わせると網羅的である」ということであり、すなわち「ダブりがなくて、漏れがない状態」です。

人間を男性と女性に分ければ「MECE」ですし、年代別に分けても「MECE」になりますが、男性と女性と未成年の3つに分けてしまうとダブりが生じます。「MECE」は集合論の考え方で、部分集合に分けるときには、何か「属性」に着目して分けることになります。性別に着目すれば、男性と女性に分けられますし、年齢に着目すれば年代別に分けられます。

「属性」は「無限」に存在すると思いますので、全体集合を部分集合に分ける方法も「無限」に存在します。人間を分ける「属性」も、性別や年齢だけでなく、国籍、血液型、髪の毛の数、血糖値、瞳の色、足の大きさ・・・など、いろいろな切り口で分けられます。これは後で説明しますが「どのような切り口を選ぶか」、あるいは「斬新な切り口を思いつくか」が、非常に重要となります。また、一つの切り口でうまく問題が特定できないときには、別の切り口を考える柔軟性が大事になります。

【例題】なぜアップルの売上が下がったのか?MECEで論理的に分解

さて、ここで前回最後に出した質問に戻りましょう。

アップルの売上が下がっているときに、何が問題なのか「ロジックツリー」を使って仮説を立てました。製品別で切ったときに、特定の製品が落ち込んでいるのではないか?ある製品の売上が下がっていることがわかったときに、単価と数量のどちらかが下がっているのではないか?数量が下がっているときに、価格に問題があるのではないか?性能に問題があるのではないか?というように分解しました。

前回、「①と②については簡単に答えられるのに、③には答えられない理由が何であるか考えてみてください」という宿題を出しましたが、みなさんは答えがわかりましたか?

①は集合論による「MECE」な分解です。
②は集合論ではなく、因数分解という分解方法です。
それに対して③は分解ではありません。
数量に影響を及ぼす要素を「列挙」しているだけです。ここに気がついた方はセンスが良いです。

数量に影響を及ぼす要素の中で、重要だと思われるものを「列挙」しています。また重要でないと思われるものは、外れている可能性があります。

例えば「味」や「匂い」などです。スマホを選ぶときに舐めて味見している人はいませんし、匂いを嗅ぎながら選ぶ人も、私の知っている一人を除いては、いないと思います。そのような要素は忘れ去られることになります。

つまり、「列挙」すると漏れが発生しやすく、「MECE」は崩れがちになります。

前回「論理力」とは何かを説明した際に、「関係を捉える力」と説明しました。販売できた「数量」と「価格」「機能」「性能」「デザイン」は、関係がないのでしょうか?

いや、間違いなく関係はあります。「価格」が下がれば「数量」は増えるでしょうし、「機能」が追加されれば、その機能がなかったが故に買っていなかった人が、買う可能性は大いにあります。

しかし、「どのくらいの関係性があるのか」が、誰にでもわかる状態ではない、ということです。実際に価格を下げてみれば「実験的」「経験的」にはわかるのですが、「論理的」にはわからないのです。

実務上は③のようなツリーを書くことはあります。しかし、これは「分解」ではなく「列挙」であり、漏れの可能性がある、ということを理解して行うことが極めて重要です。もう少し正確に言うと、数量の増減と因果関係のある要素を列挙しているのが③です。

「分解」と「因果関係」の違いのポイント➡

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