日本ハムファイターズを立て直した白井一幸氏が語る「運」の引き寄せ方

私がこれまで大切にしてきた「素直」で、「前向き」で、「一生懸命」な姿勢。「素直さ」で成長し、スター・ウォーズのジェダイのように「前向き」に力を発揮して、あとは「一生懸命」にやったらどうなるか、そんなお話をしたいと思います。<前回記事はコチラ>

一生懸命やれば「運」もついてくる

世の中に「運の良い人」っていますよね。その「運」って、持って生まれたものもあるとは思うのですが、私は暮らし方によって、後からついてくる「運」も、たくさんあるんじゃないかと思っています。

こんなことを言うと、「『運』を引き寄せましょう!」などと言って、壺でも買わされる「新手の宗教家」と思われるかもしれませんが、これからの話を読んでもらったら、そんなことではなくて、みなさんの周りで日々起こっていることを改めて見てみると、何となく「こういう意味なのかなぁ」って思っていただけるのではないか、と思っています。

高校野球、夏に盛り上がりますよね。私も高校時代、3年生の夏まで部活をやっていた高校球児(軟式)だったので、いまだに高校野球は大好きなんです。母校が甲子園に出れば、卒業生は否が応でも「のめり込んで」応援すると思います。母校が甲子園に出なくても、出身県の高校を応援するでしょう。

決勝戦や準決勝までいくと、自分がひいきにしている高校が残っている可能性はごくわずか。それでも思わず母校でも出身県でもない高校の、ましてや親戚でもない全く縁もゆかりもない高校球児を応援している自分がいます。負けても勝っても、選手たちが感極まって、自然に出す涙に思わず一緒に泣いてしまうのは、私だけでしょうか。

「一生懸命」な高校球児を見ていると、引き込まれませんか?思わず応援したくなりませんか?
この甲子園に来るまでに、どんな努力をしてきたんだろうとか、辛いこともあったよねとか。思わず、一生懸命にやっている選手に、引き込まれたりしませんか?

私は、これが普通だと思うのです。一生懸命な人、そんな人を思わず応援したくなる、助けたくなる。
それが、人の中に埋め込まれた「能力」なんじゃないかと思います。「思わず一生懸命な人を応援して、助けたくなる」。単純にそんな事だと思うのです。

助けられる、それって、「運」じゃないかなって。
応援される、それって、「運」じゃないかなって。

「運」が良いねって、結局は、周りの人に助けられている気がしませんか?こんな大変な時に、タイミング良く手を差し伸べてもらって「ありがとうございます!」というようなことこそが、「運が良かった!」ということなのだろうと思うのです。

他人に応援される人にこそ「運」がついてくる

先日、ゴルフで知り合った元日本ハムファイターズの白井一幸さんに、うちの会社で講演をしてもらいました。白井さんは、現役時代にゴールデングラブ賞を受賞されている名プレーヤー。引退後は、ニューヨーク・ヤンキースにコーチ留学をされ、帰国後は、当時Bクラスの常連だったファイターズのコーチになられた。何度もワールドシリーズで優勝して世界一になっているヤンキースと、日本でBクラスのファイターズの違いを肌で感じている、日本有数の野球指導者です。ヒルマン監督の時にはコーチとしてファイターズの日本一に貢献し、以降、パ・リーグの上位常連チームに仕上げた功労者の一人です。

講演では、コーチングの方法論や目標設定の仕方など、会社経営にとっても、社員にとっても、とてもためになるお話を、たくさんしていただきました。その中で、勝つために必要なものの一つとして、白井さんは「運」をやっぱり挙げられていました。

「運」を引き寄せる。

白井さんも、「こんなことを言うと、新手の宗教かなんかと間違われる」と、私と同じようなことを言われていましたが、「一生懸命」やった先に「運」がついてくるということは、同じだったように記憶しています。

白井さんは、二人の選手を例に出して、お話をされていました。
一人は、練習をする時、ダッシュでも手を抜いて走るA選手。もう一人は、きついダッシュでも常に全力疾走で一生懸命なB選手。

A選手は、実力もあって試合で活躍します。だけど、タイムリーエラーなどを「やらかして」しまった時、他の選手は「ほらみろ、練習をサボっているからああなるんだ、良い気味だ。これを肝に命じて、真面目に練習するようになれば良いんだ」と思っていたそうです。

一方B選手がA選手と同じようにタイムリーエラーをした時には、他の選手は、「あんなに頑張っているBだ、あいつも辛いはず。あいつのために俺たちが頑張って挽回して取り返してやらなくちゃ」と考えるのだそうです。

その結果、味方が逆転してくれて、B選手のタイムリーエラーは「帳消し」になることが多い。そしてB選手は「周りのみんなが助けてくれた。今度は、自分がみんなのために頑張って、結果を出さなくちゃ」と前向きになるのだそうです。

お互いが「良い方向の順回転」をして、B選手だけでなくチーム全体が、良い方向に進んでいく。結局、「一生懸命」っていうのが、周りの他人を巻き込んで、「一生懸命」な人を助けてあげたい、何とかしてあげたいと思う「本能のような気持ち」が、人間の根っこにはあるのではないかと思うのです。

歴史上、「一生懸命」やったら「運」が良くなるということを、証明した人、証明出来た人は誰も居ないと思います。だけど、みなさんもなんとなく思い当たりませんか?周りに「一生懸命」頑張っている人がいたら、なんとなく応援したくなる気持ちが湧いてくる感覚。その感覚を持った人に応援してもらえること、支えてもらえること。そんな「応援」や「支援」が、その人の持っている「運」なのじゃないかと思うのです。

その「運」がどの程度、その人に影響を与えられるかは、はっきりとは分かりません。ですが、サッカーの試合で、アウェーのチームが対戦相手の応援に圧倒される場合と、ホームで味方サポーターに応援される場合とでは勝率も大きく違うように、小さくささやかなものであっても、「応援」「支援」が与えてくれる好影響は、絶対に「ゼロ」ではないと思います。

私が言っている「一生懸命」を実践していると「運」が良くなるというのは、もしかしたら「私の勘違い」かもしれません。ですが、自分が応援する側になった時、私は確実に(たとえ、その人のことを全く知らない人であったとしても)その「一生懸命な人」を応援します。

その他人を応援する気持ちを受け取ることが、応援される人にとっては「運の素」なのじゃないかなと思っています。「一生懸命」であること、これは、確実に人を巻き込みます。そして、応援してもらうことを望まなくても、お願いしなくても、自分の姿勢で、自然体でそうなることが、「一生懸命」の一番良いことだと、私は信じています。

私の生きている軸になっている「素直に」「前向きに」「一生懸命に」。連載1回分の文章でお伝えできると思っていたのですが、ダラダラ、ウロウロ、されど「一生懸命」に書いたら、4回にも渡ってしまいました。応援する気持ちで(もし良ければ)、4回分を最初から、読み通してみてください。

◇谷口 健太郎(たにぐち けんたろう)
ディーコープ株式会社(DeeCorp Limited)代表取締役社長。早稲田大学大学院理工学部工業経営学科卒。1987年、日商岩井(現、双日株式会社)へ入社。営業としてトルコなどに赴任しプロジェクトを多数手掛ける。2000年、ソフトバンクに転職。2002年、執行役員として同グループ会社のディーコープ株式会社へ転籍。2006年10月、同社代表取締役に就任。2012年6月に代表取締役を退任するが、2014年4月に株主の要請もあり再度代表取締役に就任。

月間人気記事ランキング

連載・特集

松下幸之助

PR

  1. EnCube(インキューブ)の効果は嘘?日本人が英語を話せない本当の理由
  2. 「転職させない」転職エージェントが考える真のキャリアアップとは?
  3. もしドラ 村瀬弘介 もし現代の経営相談をドラッカーが受けたら

《絶賛販売中!》Soysauce Magazine 創刊号

ソイソースマガジンオンライン
PAGE TOP