2018年12月新規上場(IPO)のソフトバンク(9434)に新規カバレッジ※が相次いでいる。
(※カバレッジ=適応範囲。証券会社などが企業の株価について示すレーティング、投資判断のこと)
利益相反防止の観点から、新規上場後しばらくは幹事証券からの投資判断付与は回避されるが、その“喪”が明け、各社からアナリストレポートが続出した。概ね投資判断は良好、ターゲットプライスも公開価格(1,500円)以上のものとなっている。(なお証券会社でないモーニングスター、幹事証券でないHSBCがいずれも1,100円目標であることは興味深い)
株価は未だに初値(1,463円)を一度も上回ることができていないが、これらのレポートが初値および公開価格をブレイクする推進力の源となる可能性はある。それにより、数多の投資初心者が資金的にも心理的にも救われれば、株式市場のセンチメントも更に改善しよう。
ソフトバンク以外の、ラクスル(4384)やメルカリ(4385)、RPAホールディングス(6572)といった昨年注目された直近IPO銘柄にも、アナリストカバレッジのスタートした銘柄が散見される。これらが投資対象として機関投資家の視界に入りつつあるということであり、今後の展開が注目される。
2019年の新規上場(IPO)開始
さて2019年、新規上場(IPO)がいよいよ再開する。
現時点(1月30日11時現在)でIPO承認は5件。今年のIPO第1号は、組織マネジメントコンサルティングの識学(7049)。中小企業などのマネジメント層へ企業組織構築の支援をしており、時宜にかなったテーマ性のある企業と言えよう。
クラウド型POSシステムで今流行のサブスクリプションモデルの事業を展開しているスマレジ(4431)にも関心が集まりそうだ。また、フロンティアインターナショナル(7050)は「東京ガールズコレクション」等のイベント企画で個人投資家層に親和性のありそうな業態。
株式市場は昨年末を底に、着実に相場修復が進展している。ただ、1月30日の“サンバイオ・ショック※”で個人投資家のリスク許容度は一気に低下した公算が大きい。今後IPOのブックビルディングや公募の状況に影響が出るか注意を払っておくことが必要だろう。
※サンバイオ・ショックとは
29日の取引終了後、大日本住友製薬とサンバイオは、慢性期脳梗塞を対象として米国で共同開発中の再生細胞医薬品「SB623」が主要評価項目を達成できなかったと発表。翌30日、その影響からバイオ関連株は急落し、マザーズ指数は一時7.5%安、マザーズ指数先物はサーキットブレーカーが発動し、売買が一時停止する事態となった。