「さよなら、チャイナ」。中国経済衰退で迎える恐ろしい結末

中国経済を崩壊させうる米国の「次の手」

以下は、2017年の名目GDP(USドル)ランキングです。

1位:米国:19兆4854億ドル
2位:中国:12兆146億ドル
3位:日本:4兆8730億ドル

この数字を見て、中国がこれまでのように6〜7%成長を続ければ、2030年頃には米国を逆転すると多くの専門家が考えてきました。しかし、中国のGDP成長率は、07年の14.2%をピークに一貫して低下しています。とすれば、米国の中国叩きがなくとも、いずれ先進諸国と同じような2、3%成長となり、米国の成長率と並びます。米中逆転など、はなからありえない話だったのです。

しかも、中国は見せかけの市場経済であって、市場に自由競争はありません。米国としては、中国がいまの状況を続けるのなら、その先は、関税引き上げ、市場開放要求だけでは済みません。

米国には基軸通貨ドルという強力な武器があります。したがって、「次の手」としては、中国企業と個人が米国に持つ資産の凍結とドル取引の停止といった経済制裁があり得ます。

かつてフランスのBNPパリバ銀行は、米国の制裁対象国と違法な取引を行ったとされ、米当局に対し89億7000万ドルの罰金を支払うことと、1年間のドル取引の停止処分を受け、大損害を被りました。この先、中国の大手銀行が同様の措置を講じられることは十分にあり得ます。特に在米資産凍結となると、多くが海外に隠し資産を持つ中国政府の幹部たちは悲鳴を上げるでしょう。

こうして、「米中戦争第2ラウンド」は最終的に、人民元の強制切り上げ(第2のプラザ合意)に行き着く可能性があります。1985年の「プラザ合意」では、これをきっかけに日本経済は空前のバブルに突入し、その後のバブル崩壊によって壊滅状態になりました。

いまこそ必要な「グッバイ、チャイナ」の決断

米中新冷戦の敗戦がなくとも、中国は衰退する運命にあります。それは、中国が日本から周回遅れで「少子高齢化社会」に突入してくからです。

2018年、中国の出生数は1523万人と、前年比で200万人も減少しました。いま、中国は日本以上に深刻な「少子化」に見舞われているのです。同年の中国の出生率は1.09で、日本の1.43(17年)を下回っています。

少子化の原因は、1980年に始められた「1人っ子政策」です。中国政府は2016年になってやっとこの政策を撤廃しましたが、36年間続いた人口抑制策の影響を短期間で払拭することはできません。子供の数が減るとともに高齢化も進行しています。

中国経済の成長の原動力となったのは、人口増加による安価な労働力の大量供給でした。しかし、この少子高齢化が続けば、経済の担い手である生産年齢人口が減少するので、中国経済から「人口ボーナス」は消滅します。そこから日本と同じような「失われた30年」に陥るのは間違いありません。

昨年10月の訪中で、安倍首相は中国との友好を深めることで合意しました。

「競争から協調へ」
「脅威ではなくパートナー」
「自由で公正な貿易体制の発展」

の3原則を確認したのです。

さらに、経団連の中西宏明会長は「一帯一路」について、「中国は日本に協力を求めている。日本に大きなチャンスが来ている」と発言しました。

信じられないことです。これからは、官民あげて「グッバイチャイナ」をしなければ、日本は共倒れになってしまうでしょう。

◇山田 順(やまだ・じゅん)
作家、ジャーナリスト、出版プロデューサー。
1952年横浜市生まれ。元光文社ペーパーバックス編集長。メディア、経済、ビジネスを中心に執筆活動中。主な著書は『資産フライト』(文春新書)、『新聞・出版 絶望未来』(東洋経済新報社)、『中国の夢は100年たっても実現しない』(PHP)。近著は『東京「近未来」年表』(さくら舎)。

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