ここにきて中国経済の大幅な減速が明らかになってきました。米国が中国の覇権挑戦阻止を決めた以上、中国は今後、間違いなく衰退していきます。この世界史の大転換を読み違えてはいけません。国家も企業も、そして一般ビジネスパースンも、もう中国からは手を引くべきなのです。(ジャーナリスト 山田順)
すでに始まっている中国経済の衰退
年明けの「アップルショック」で中国経済の減速が明らかになりましたが、その減速スピードが予想を上回ることがはっきりしてきました。
中国汽車工業協会が14日に発表した2018年度の新車販売台数では、28年ぶりに前年比でマイナスに転じました。2017年比2.8 %減で、約2800万台。数字的には大したことがないように思えますが、消費の落ち込みが原因ですから、その影響ははかりしれません。
この中国の消費市場の落ち込みをさらに裏付けたのが、17日に日本電産が発表した19年3月期の業績予想の下方修正です。
日本電産の永守重信会長は、こう言いました。
「昨年11、12月は経験したことがない落ち込み。46年間経営しているが、こんなに落ちたのは初めてだ」
この発言で、日本の産業界に衝撃が走りました。
日本電産は中国で自動車や白物家電向けのモーターを提供しています。その生産が30〜40%も落ち込み、工場は在庫の山になったというのです。日本電産と同じく下方修正を発表したのが安川電機で、こちらはスマホ向け製造装置の生産が大きく落ち込んだのが原因です。
「世界の工場」とされてきた中国ですが、消費の落ち込みとともに、工場の稼働率が落ち、大不況に見舞われていると言っていいのです。
中国の消費市場は、2018年に米国を抜いて世界トップになると予想されていました。しかし、この状況ではほぼ無理でしょう。GDP成長率も大幅に落ち込むことは間違いありません。