サンドウィッチマンの愛される理由 「好きな芸人」ランキングに異変あり!

コンビの「ゆるキャラ」化とは?

テレビ局関係者の「使いたい芸人の1位」(『FLASH』2017年6月13日号)にも輝いている。気がつけば15本のレギュラー番組を抱える超売れっ子のお笑いコンビ、サンドウィッチマン。

伊達が“同世代で嫉妬するほどおもしろい芸人”として挙げるナイツの塙宣之は、彼らの“ゆるキャラ化”が人気の理由ではないかと推測する。
「総合1位がマツコ・デラックスさんですね。サンドウィッチマンも太り始めてから人気が出てきたよね。ゆるキャラみたいな体形がポイント。(2位の)綾瀬はるかが1位になるには“激太り”してぬいぐるみ化するしかないでしょ」(塙)

「コンビのゆるキャラ化」は重要なところか。
イケメンでスマートな優男とは対照的な「男くさいシャイ」な無骨男に、男性はもちろん、大人の女性たちは、本能的に惹かれているのかもしれない。

サンドウィッチマンの「ど直球」なコンビ愛が視聴者に人気なのは、彼らの「コワモテ」とのギャップと無関係ではない。SNS上では「2人とも人相が悪いのに人柄の良さが伝わってくる」「柄が悪いのにかわいい」などの声があがっている。

これは昨今のバイプレイヤーブームと似たところもある。故・大杉漣さんをはじめ、松重豊、遠藤憲一、寺島進、吉田鋼太郎など「コワモテ」俳優たちへの視聴者評価も、最近は「かわいい」が多い。『おっさんずラブ』も爆発的な人気を誇った。おじさんたちの見せる「かわいい」一面へのギャップ萌えは、今やひとつのパラダイムなのかもしれない。

かつて、漫才コンビは「裏での仲は悪い」「相方のメアドも知らない」というのが定説だった。昔の話だが、人気者のお笑いコンビをCMに起用した時に、事務所から「指示」が入って楽屋は別、入り時間も別、本番以外はなるべく顔を合わせないようにと言われ、スタッフに緊張が走ったことがあった。(CMの仕上がりは面白かったけど・・・)

そんな感じで、以前はコンビの仲が良くても、それが前面に押し出されることは極めてまれだった。現在は「ウッチャンナンチャン」の仲良しコンビから始まり、「モヤモヤさまぁ~ず」での「さまぁ~ず」のゆるい友達コンビっぷりなどが、主流になっている。「コンビ愛」はいまや王道で「大きな価値」を生み出すパワーを秘めているのだ。

実は芸能人の収入の多くを占めるテレビCM。イメージを大切にする企業にとっては「仲の良いコンビ」は使いやすい。以前は裏でピリピリしていても、番組が面白くなるのであれば「それで良し」とされてきたが、現在はSNSの影響で、少しでもギスギスが見えたらインターネットで一気に拡散される恐れもある。一般の声がダイレクトに拡散される時代。視聴者は敏感に見抜くのだ。サンドウィッチマンの立ち位置に「時代の適性」が追い付いてきている。

一般大衆という「街頭」で、誠実に立ち続けた「サンドウィッチマン」の“コンビ愛″に時代がようやく振り向いた、平成もおわりつつある2019年。お笑い界の地図も大きな転換をむかえそうだ。ただ、こうした時代の変換点での追風的な賞賛には、シャイなサンドウィッチマンは「ちょっと何言ってるかよくわからない」と照れるのだろうが・・・。

◇遅塚 勝一(おそづか かついち)
茨城県土浦市出身、1963年生まれ。大学卒業後、宣伝会議を経て、テレコム・ジャパンに入社。博報堂への出向の後、独立。CMディレクター、コピーライター、演出家として活躍中。 年間数多くのCM制作を手がける傍ら、ドラマ、映画、ラジオの企画や脚本にも携わっている。インタビュー・構成を担当した「時代とフザケた男」(小松政夫・著)が扶桑社より絶賛発売中。

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