他人に耳を傾ける「素直」さと、才能を他人のために使う「前向き」さ。

最強のサラリー社長 谷口健太郎の心を据えるビジネス道 第七回

これまで、新入社員の時の「素直さ」がいかに大切かという話と、入社して2、3年たったら入社時の「素直さ」を失う人がいて、その「素直さ」を失わずに持ち続けている人と、「素直さ」を失ってしまった人との、「成長の度合い」が、ものすごく違ってくるということをお話しました。
なぜ「素直さ」が無くなると成長しなくなるのか、私なりに思っていることを、少し追加しておきます。
第六回  あなたの能力は「素直さ」で発揮される!はコチラ

新入社員の時は、誰にでも経験はあると思いますが、何もわからない世界に飛び込んでいくわけですから、当然「期待」もありますし「希望」もあります。ただ、その裏側には、全くわからない未知の世界という「不安」もある訳です。
人というものは、きっと「不安」の中に置かれたら、そこの「不安な世界」のことを少しでも知っている人の言うことを、ある種、真っ暗な夜の海の航海における「灯台の灯」のように、その灯に「素直に」従っていくのではないでしょうか。それが、自分の安全を考える上で、最も自然な方法なのだろうと思います。

一方で、その世界のことが多少なりとも「見えてきた」とき、人はどうなるかということです。
だんだん自分が経験を積んでいき、痛い目にも、良い目にもあい「この世界ではこうすることが一番」みたいな「自分なり」の指針を持つようになってきます。
この「自分なりの」ということが曲者で、実は「厄介なもの」のように思います。
ある程度、自分で仕事ができるようになった2年目、3年目の社員が、「自分なりの」指針で、ある程度(そう、ある程度なんですが・・・)、上手くその世界を渡れるようになってくると「自分なりの」指針が、ある種「バイブル」のようなものになってくるのです。

そんな時に、新入社員が初心(うぶ)で純粋な質問として、子供が大人に無邪気に「なんで、なんで」と聞くように、「なぜ、先輩はこういう風にしているのですか」と聞いたとします。
この時に「ムカッ」として、「いちいちそんな理由は聞かないで、言われた通りにやれ」というタイプと、「まてまて、この新入社員が言っていること、自分の考えとは違うけど、ちょっと考えてみよう」と立ち止まって、子供の素直な質問のように「耳を傾けてみる」ことが、できるタイプとの違いのように思えます。

おそらく、前者の「うるさい」「黙って言うことを聞いてろ!」というタイプの人は、ある程度、自分の「バイブル」でこれまでの成長をしてきたのだと思います。ただ「素直に」自分と違う意見(新入社員のものであるにせよ)を聞けなくなった瞬間、彼の「成長」は、自分の「バイブル」のまま、止まってしまうのだと思います。

一方で、後者の「まて、まて」と一瞬止まって、新入社員の意見ではあっても「素直に」まずは聞いてみようという人は(勿論、新入社員のことですから、頓珍漢な訳の分からないことを言っているかもしれませんが)、より「成長」する可能性がある。
子供が大人に「なんで」という素直な質問をしたときに、そこにシンプルな真実が見つかることがあることも、経験的に皆さんはご存知だと思います。そんな新入社員の言葉に、一旦は「素直に」耳を傾ける「余裕」や「謙虚さ」。
おそらくそれが、その人の「成長」の源になるのだと思います。

それが「素直さ」というものが成長を促す理由で、だから私は、素直な人はみんないつかは、成長すると信じているのです。ただ、以前の連載でもお話していますが、「酸」と「アルカリ」のように「素直さ」と「戦い」というものは、必ず裏表にあるということも忘れてはならないことだと思います

→次に「素直さ」に加えて「前向きに」について考えてみましょう!

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