マンションの「買い時」は5つの指標で見定めよう
内向きな騒動ばかりを列記したため、「今、マンションは買うべきではない」といったメッセージに受け取られたかもしれません。マンションや一戸建ての買い時を見極める指標は以下の5つです。各指標が住宅購入にどの程度、寄与しているかでタイミングを見定めます。データに裏付けられた理論的な分析が求められるので、根拠のない判断は意味をなしません。
【買い時を見極める5つの指標】
(1)販売価格
(2)住宅ローン金利
(3)住宅税制
(4)需給バランス(新規供給数や在庫数、契約率)
(5)購入者のライフプラン(人生設計)
実例で説明しましょう。不動産経済研究所が公表した11月度の首都圏新築マンション契約率は、53.9%まで落ち込みました。およそ10年ぶりの低水準です。その理由について、同研究所は「価格の高止まりが一因」と分析しています。要は販売価格が高すぎて新築マンションが売れなくなっているのです。
確かに、東京都区部の新築マンションは平均価格が7652万円(11月度)まで上昇。一般のサラリーマンには手の届かない価格帯へと突入しています。この価格(建物部分)に2%の消費税増税分が上乗せされれば、さらにマンション検討者の購買力は低下します。価格調整がなされない限り、消費税増税の前も後も買い時にはならないでしょう。
このように、5つの指標を一つずつ丹念に読み解くことで、買い時が絞れてきます。この続きは<後編>で詳しく説明し、具体的な「買い時」についても紹介します。
◇平賀 功一(ひらが・こういち)
住宅コンサルタント
第一不動産グループの住宅販売会社でマンション販売を経験後、1999年に独立し、e住まい探しドットコムを設立。公平・中立をモットーに、第三者(セカンドオピニオン)の立場で住宅取得検討者へのコンサルティングを行うほか、セミナー講師や各種媒体へのコラム執筆にも従事している。