HRTech(HRテック)とは?慶応大岩本教授が教える最新のデータ活用

最先端企業が導入するHRアナリティクス部門

HRテックを経営に活かす仕組みは、【図表4】のようになる。

自社の経営に必要なHRのパラメータを定義し、それらのパラメータについてのHRデータを時系列で集めたHRデータベースを構築する。HRデータのパラメータについては、プロスポーツの世界では1万を超えるものもあると言われているが、企業の経営では200~300程度のパラメータでHRデータベースを構築することが多い。

HRデータベースから必要なHRデータを引っ張ってデータ分析を実施する。データ分析については、自社で統計分析プログラムやAIを準備して、それらのツールを活用して実施する。最近は、自社にHRアナリティクス部門を立ち上げる企業が急増してきたが、ビジネス部門が直接HRデータベースにアクセスして自部門の経営課題の解決に取り組むパターンもあれば、より高度な分析を必要とするため、ビジネス部門がHRアナリティクス部門にデータ分析の依頼をして、経営課題解決のヒントをもらうパターンもある。

ヒトや組織のパフォーマンスを最大化するIoHの進化

HRテックの今後の動向としては、これまでの静的なHRデータに加え、行動データなどの動的なHRデータが活用されていくだろう。行動データの収集には、センサなどのテクノロジーに加え、脳や神経など、「BrainTech」「NeuroTech」と呼ばれるテクノロジーなども活用され始めている。IoTはモノのデータを扱うものであるが、IoH(Internet of Human)と呼ばれる人間のデータを扱うテクノロジーが次々と開発され、低コストで利用できるようになってきている。

ヒトはどうすれば最大のパフォーマンスを発揮できるのか。チームや組織はどうマネジメントすれば最大のパフォーマンスを発揮できるのか。さまざまなテクノロジーの活用により、こうした疑問が体系化されていくことで、企業の経営のあり方がより進化していくであろう。

◇岩本 隆(いわもと・たかし)
東京大学工学部金属工学科卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)工学・応用科学研究科材料学・材料工学専攻Ph.D.。日本モトローラ、日本ルーセント・テクノロジー、ノキア・ジャパン、ドリームインキュベータを経て、2012年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科特任教授。

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