HRTech(HRテック)とは?慶応大岩本教授が教える最新のデータ活用

IoTやビッグデータ、AI(人工知能)、ロボットなどの新たなテクノロジーの進化により、世界中で「第四次産業革命」が進行している。そして、さまざまな領域でこれらの新たなテクノロジーを掛け合わせた「X-Tech」と呼ばれるビジネスが成長している。HR(Human Resources:人的資源)の領域も例外ではなく、HRにテクノロジーを掛け合わせた「HRTech(HRテック)」の市場が世界中で成長し、スタートアップも数多く誕生している。(慶應義塾大学大学院特任教授 岩本隆)
※「HRTech」はgrooves社の登録商標

実は20年以上使われている「HRTechHRテック)」という言葉

ダボス会議を主催する世界経済フォーラムが2017年3月、サンフランシスコに「第四次産業革命センター」を世界で初めて設立し、18年7月には2ヶ所目の同センターを東京に設立した。その後、中国、インドにも同センターを設立。今後もさまざまな国で同センターをつくっていく計画で、世界中が連携して第四次産業革命を進めていくことになる。

実はHRTech(HRテック)という言葉自体は、米国では1998年に商標登録されている古い言葉であり(現在は米国では「HRTech」の商標権は放棄されている)、X-Techという言葉が流行るかなり前から使われている。米国では「HR Technology」も00年にLRP Publicationsによって商標登録されている。同社が毎年開催している「HR Technology Conference and Exposition」というイベントは、18年で既に21回目を迎えている。

300ツール!乱立するHRTechHRテック)スタートアップ

HRテック市場が世界的に変化し始めたのは2010年頃である。ビッグデータ分析やAI等のデータサイエンス領域のテクノロジーの進化により、新たなテクノロジーをHR領域に応用したスタートアップが多く生まれるようになった。

【図表1】に世界のHRテックスタートアップの投資案件数と投資額の変遷を示す。11年から16年の5年間で投資案件数が約5.2倍、投資額が約5.8倍に増加している。

日本で「HRテック」という言葉が使われ始めたのは2015年だ。15年3月27日にgrooves社によって「HRTech」が商標登録されている。筆者の研究室では人事や教育のデータを用いた経営学の研究を行っていたこともあり、13年よりさまざまな企業と連携して「人事・教育ビッグデータ分析研究会」を開催。海外のHRテック市場の急成長の流れを受けて、15年4月には研究会の名称を変更して「HRテクノロジーコンソーシアム」を立ち上げ、HRテクノロジーの研究および普及活動を開始した。この頃以降、日本でも急速にHRテックスタートアップが増加し、HRテック市場に参入する大企業も急増している。

【図表2】は、ネオキャリアが運営するHRに特化したWEBメディア「HR NOTE」が18年12月に公表した「HRTech業界カオスマップ」だ。ここでは293のツールがまとめられ、この数年で急速に参入企業が増加したことがわかる。

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