マネをマネしてみよう!フジタは真面目に考えた。

最初の場所では・・・その6

「物語」とは近代までの絵画において、何を意味するのか?
そして、近代への飛躍によって「絵画」はどのような「新しい物語」を獲得したのか?
フジタは20世紀に向けて、マネの近代への「たくらみ」をどう利用しようとしたのか?
NHK「日曜美術館」の製作を長年勤めた山下茂氏の旅は、いよいよ「絵画の近代化へのビッグリープ」へ。
でも、まだまだ、マネにこだわってます。
連載第五回はコチラ

絵画の「資産価値」と「美の価値」は違うのですが・・・

今回は少し、お金の話から。
高額な絵画は「資産」として極めて便利かつ有効だ。
本当のお金持ち、いや「賢明なお金持ち」が、最後に絵画収集に行きつくのは、私にはごく自然なことと思える。たとえば、その資産としてのメリットをジェット機と比べてみることにしよう。

①メンテナンスの必要がない、
②消耗しない、
③置き場所に困らない、
④税金対策も簡単、
⑤放っておけば(長期的には)まず間違いなく価格は上がる。

ジェット機や車だけではない。絵画は土地と比べてもずっと安定した資産といえるだろう。
その上所有者は、その「教養と知性」によって世間の尊敬を集めることにもなる。
それは個人ばかりではない。企業にとっても事情は同じだ。
かつて経済番組を担当していた時期、バブル崩壊後に潰れた銀行を取材すると、やはり良いモノを持っていた。取材の相手を務める広報担当者に「これは良い絵ですね!」というと「そんなに良いモノなんですか?」と逆に真顔で尋ねられた。
「絵を見てその良さを味わう」。そんな余裕も教養も失って、金儲けだけに「奔走」したことが、破綻という結果を招いたというのも言い過ぎではないだろう。

「サルバドーレ・ムンディ」史上最高値約500億円

さて、いまどき「美術」がニュースになるのは、ほぼ決まって「誰それの絵が〇〇億円で落札されました」という類のものだ。2017年11月、ニューヨークのクリスティーズでレオナルド・ダ・ヴィンチの「サルバドール・ムンディ(救世主)」が4億5,000万ドル(およそ500億円)で落札された件もニュースとなった。

私もレオナルド・ダ・ヴィンチ(以下、欧州風にレオナルドと呼ぶ)の番組を手掛けたときに調べたが、この「史上最高の天才」は、驚くほど寡作で(実は未完だといわれている「モナ・リザ」を含めても)完成作は10数点(研究者によって勘定の仕方が異なる)しかないと言われている。
従って、美術市場にその作品が出ること自体が「奇跡」のようなもので(ちなみに日本にはレオナルドの作品は一つもない)、出品前に「サルバドール・ムンディ」が果たして本当にレオナルドの作品なのか、激しい論争があったようだ。
結果としては、厳密な鑑定により、後代、修正・加筆された部分がかなりあるが、一応「真筆」とされ、この史上最高額がつくことになった。

ここで、2017年までの高額絵画ベストテンを見てみると、2位=デ・クーニング(米国抽象表現主義の画家)、3位=ゴーギャン、4位=セザンヌ、5位=ジャクソン・ポロック(米国抽象表現主義の画家)、6位=マーク・ロスコ―(米国抽象表現主義)、7位=レンブラント、8位=ピカソ、9位=モディリアーニ、10位=再びポロック、となっている。フジタとも親交があり、南仏カーニュにルノアールをともに訪問したモディリアーニの「赤いヌード」が9位にランクインしている。その落札額は1億7,000万ドル(約190億円)である。

→それでは、フジタは「いくらなのか?」という、俗っぽい質問の答えは?
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