「高輪ゲートウェイ」「虎ノ門ヒルズ」……ダサいカタカナ駅名が増える理由とは?

なぜカタカナ駅名が増えたのか?

各地のカタカナ駅名を眺めてみて、なにか気が付くことはないだろうか?そう、いずれも近隣エリアの開発や再開発によって生まれた施設・地域の名前が、そのままカタカナ駅名となったのである。

高度成長期にニュータウンが、平成初期には臨海副都心が、2005年以降にはつくばエクスプレス沿線がそれぞれ鉄道の開通と一体となって開発された。開発されたエリアには「流山セントラルパーク」「天王洲アイル」などカタカナ名をつけることが「主流」となっており、その開発エリア名に合わせて新駅にもキャッチーなカタカナ駅名をつけることに抵抗がなくなってきたのである。

もちろん、目を引きやすいカタカナ駅名には、新しくできた商業施設や再開発エリアのPRという側面も多分にある。グローバル化が進み、外国人でも親しみやすいような駅名にするため、英語読みを採用したという狙いもあるだろう。一般からの理解を得るには時間がかかりそうだが、「高輪ゲートウェイ」にもそうした願いが込められている。

カタカナ駅名に愛着は湧きますか?

鉄道事業者によるさまざまな狙いのあるカタカナ駅名だが、すべてが上手くいくかと言うとそうでもない。カタカナ駅名として残念だったのは「とうきょうスカイツリー」だ。

覚えている人も少なくないだろうが、東武伊勢崎線のとうきょうスカイツリー駅は元々、「業平橋」という駅名だった。平安時代の歌人・在原業平にまつわる地域名に由来した歴史ある駅名だ。

だが、東武鉄道は東京スカイツリーの開業に合わせ、2012年に現行名のカタカナ駅名へ改称に踏み切った。世界中に知られるスカイツリーの抜群の知名度を生かして集客につなげることが狙いだったが、わざわざ駅名を変える必要があったのか。いまなお旧駅名を惜しむ人は多い。

住民や利用者に広く愛される駅名は、長い歳月を経てそのまま「地域名」となり、「ブランド」となるケースもある。東急東横線の「学芸大学」や「都立大学」は、施設が移転してからもなお、駅名を残し続けている。その観点でいうと、安易にカタカナ駅名をつけることには大いに疑問が残る。

キャッチーなカタカナ駅名で利用者の目を引きたい意図は理解できるが、カタカナ駅名が何十年先にも地域に根ざしていくのにふさわしいかどうか、鉄道事業者には改めて考えてもらいたい。

◇小林 拓矢(こばやし・たくや)
フリーライター。1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学教育学部社会科社会科学専修卒。単著『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。共著に首都圏鉄道路線研究会『沿線格差』『駅格差』(SB新書)など。「東洋経済オンライン」「ビジネスジャーナル」などに執筆。ホームページhttps://kobayashitakuya.jimdo.com/

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