JR山手線・京浜東北線の田町~品川駅間の新駅名が「高輪ゲートウェイ」に決まった。JR東日本では都内初のカタカナ駅名とあって、ネット上では「ダサい」「呼びにくい」と疑問が巻き起こった。発表翌日には東京メトロが日比谷線霞ケ関~神谷町駅間の新駅名「虎ノ門ヒルズ」を発表。なぜ、首都圏でカタカナ駅名が増えているのか。(フリーライター 小林拓矢)
カタカナ駅名でも明暗。批判殺到の「高輪ゲートウェイ」、違和感なかった「虎ノ門ヒルズ」
JR山手線に49年ぶりに誕生する新駅名は一般公募された。しかし、採用されたのは公募で上位を占めていた「高輪」「芝浦」「芝浜」といった地名ではなく、130位だったカタカナ駅名の「高輪ゲートウェイ」。JR東日本が中心となって再開発しているこのエリアが「グローバルゲートウェイ品川」と名付けられているとはいえ、応募総数6万4000件以上の意見を無視する結果に、「公募した意味がない」とネット上を中心に批判の声が多く集まった。
新駅エリアはかつて江戸の玄関口として賑わいをみせ、明治時代には地域をつなぐ鉄道が開通した由緒ある地域だ。JR東日本は「この地域は世界中から先進的な企業と人材が集う国際交流拠点の形成を目指している。新駅が過去と未来、日本と世界をつなぐ結節点として、街全体の発展に寄与するよう選定した」としている。
一方東京メトロが名付けたカタカナ駅名の「虎ノ門ヒルズ」は、森ビルが運営する既存の超高層ビル名がそのままつけられた。「お客様により明確でわかりやすく、街と一体となった新しい駅に相応しい」(東京メトロ)との狙い通り、地域のシンボルを冠したカタカナ駅名はさほど違和感なく受け止められている。
駅名は地名に由来することがほとんどだが、東京の地下鉄には商業施設名を駅名とした前例がある。銀座線の「三越前」だ。「三越前」は、東京メトロの前身、帝都高速度交通営団のさらに前、東京地下鉄道という民間の時代につけられた。後に半蔵門線にも三越前駅が開業した。
平成以降に急増したカタカナ駅名➡