【図解あり】「ROA」とは?「良い会社」がわかる計算式をマスターしよう

【インヴィニオ代表 土井哲】デキるビジネスパーソンへの「自分開発講座」⑤

【インヴィニオ代表 土井哲】デキるビジネスパーソンへの「自分開発講座」

働く時間を変えずに利益を2倍にする意外な方法

前回、ビジネスパーソンの基本的なマインドとして、「売上を上げることを通じて、利益に貢献する意識を強く持ってほしい」という話をしました。
今回はその続きです。
もし皆さんの会社の社長が「来期は、利益を今期の2倍にしたい。ぜひ社員のみなさんも利益2倍に向けて努力してほしい」と話したら、どのような気持ちがしますか?
「利益を倍にする」という目標は、とてつもなく無理な要求と感じますか?
それとも頑張れば達成できそうでしょうか?
売上を2倍にするのはとても大変なことなのですが、利益を2倍にするというのは、実は決して難しくないのです。

よくある会社の売上から営業利益までの割合を見てみましょう。

売上     100
売上原価   40
売上総利益  60(売上から原価を引いたもの)
販管費    55
営業利益   5

このような利益構造の会社があるとします。
営業利益率5%という会社は結構多いものです。

ここで問題です。
なかなか「値上げ」を顧客に要求するのは難しいのですが、なんとか単価を3%上げることに成功したとします。
一方、サプライヤーさんにお願いをして、売上原価を3%減らし、いろいろと切り詰めて販管費を3%減らしたとすると、営業利益の5は何%増加すると思いますか?
実は利益は2倍以上に増えるのです。信じられませんか?では計算してみましょう。

売上     103 (100*1.03)
売上原価   38.8 (40*0.97)
売上総利益  64.2
販管費    53.35 (55*0.97)
営業利益  10.85

となり、営業利益は5から10.85に増加します。
頭ごなしに「利益を2倍にしろ!」などと言われたら、「ふざけるな。プライベートを犠牲にして、残業までしてなんとか頑張って利益を上げているのに、2倍にしろとは、我々に今の倍の時間働け、と言っているのか」と思わず言いたくなるかもしれません。
しかし、実は2倍働く必要など全くなく、単価と原価と販管費のそれぞれを3%ずつ改善すればよいのです。
3%の改善努力が利益を増やすのです。

逆も真なりです。
お客様から値下げしてよと言われて、安易に5%、10%などと値段を下げてしまうと深刻な影響を与えるということです。
最初の表で、売上100を95にしてしまったら、営業利益がゼロになるのは理解できるかと思います。営業職の方にとっては、自社製品の価格を守ることは極めて重要ですし、営業職以外の方であれば、原価を下げる努力、販管費を下げる努力を常に意識することは「マインドセット」としてとても重要です。
→経営的な目線で「良い会社」を考えるためのROAとは何か?

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