日本企業の「人事制度」は世界の大勢と根本が異なる!

中島豊の「新しい人事部」の作り方 企業は「人」でできている【その5】

第四回 本当に、まだ「人事制度」が必要ですか? はコチラ

海外の人事関係者が、なかなか理解できない日本企業の人事制度

この連載を読んでいる外資系企業人事の経験が豊富な方から、日本企業の人事制度について、考えさせられるコメントをいただきました。
そこには「日本人の大学教授が書いた人事の教科書で、人事制度とは何かという一章を読んだ時に『人事制度とは、その会社の中で社員の身分、位置づけを決めるためにある』という一文に、もの凄いショックを受けた」とありました。

なるほど、この教科書の説明は、日本の人事制度の考え方のレガシー(遺産)を良く言い表している言葉だと思います。
日本の企業をガラパゴス(日本列島?)の中に閉じ込めているのは、まさにこの「身分」による人事管理なのです。
会社における「身分」とは、組織の中の「序列」であると解釈することもできます。
詳しくお話しするために、まず日本企業の人事を運用する要となっている「インフラストラクチャー」について、説明しておきたいと思います。

日本の人事を動かすのは、ズバリ「区分」と「格付」です。

人事の場合「区分」とは「雇用形態の違い」です。
代表的なものとしては「正社員」と「契約社員」という、法律による異なる区分があります。「正社員」とは、労働法の「雇用契約」による「期間の定めのない契約」です。この契約を結んだ社員は「定年」以外の理由で雇用契約を解除することが困難になります。つまり「雇用が保証」されているわけです。
もちろん、経済や技術動向の変化によって、その社員の仕事が無くなるということは、企業では往々にして起こりえます。そうした場合には、企業は「配置転換」を行うなどして雇用の確保に尽力しなくてはなりません。
そのために会社は、この「期間の定めのない」契約をした社員に対して、会社の都合によって自由に仕事を変えることのできる「配置権」を持ちます。この背景から、日本の正社員は「いつでも、どこでも、どんな仕事でも、ちゃんとやります」というような働き方が求められるわけです。

一方で「契約社員」は、原則「3年以内」の「期間の定めのある」労働契約を結んだ社員です。正社員と違って、契約社員は契約期間が満了すると雇用は終了します。つまり「雇用の終了」が会社にとっては「正社員」と比較して容易なので、業務の繁閑によって「契約社員」を、労働需給の調整弁にすることができるのです。

さらに法律上は同じ「雇用」であっても、社内的に異なる「区分」もあります。
「管理職」「総合職」「一般職」といったものに加えて、最近では「従業員」(社員)として雇用されている「執行役員」という「区分」も増えてきました。
こうした「区分」の違いによって、配置(転勤)、報酬、労働時間などの取り扱いが異なってきます。
また、派遣社員、業務委託従事者などは「雇用」ではない契約の下で、企業で働きます。さらには「取締役」「執行役」という「区分」も雇用ではない契約です。こうした「雇用」以外の契約によって、企業で働く人の取り扱いも当然に異なってきます。

このような「区分」を細かく設けることによって、企業ではさまざまな人々を、その状況に応じて「丁寧に」管理することができます。けれども、こうした「区分」の違いが壁となるために、違う「区分」への移動が困難になり、人事運用の「硬直化」を招きます。
さらには、この硬直化した「区分」によって、区分間に序列が生まれ(例えば、「『総合職』のほうが『契約社員』より上の序列」といった認識)、結局は「区分」が「身分」となっていくのです。
→「格付」とは「貢献度」対応するものだが・・・

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