プレゼン能力は年収に比例すると言われます。自社製品やサービスの良さをアピールし、売り上げにつなげる。社員の気持ちをひとつに束ね、方向性を示す。プレゼンの対象が社内でも社外でも、プレゼンする側に「巻き込む力」があれば、聞き手の心を動かすことができます。だからいわゆる「ハイクラス」と呼ばれる方々は、総じてプレゼンが上手なのです。(コミュニケーションコンシュルジュ 吉田正美)
プレゼンで聞き手の心を動かすコツ
一口に「プレゼン」と言っても、大勢の前で話をすることだけを指すのではありません。たとえばプロポーズや就職活動の面接など、誰しもが日常生活の大きな場面で「プレゼン」をしているのです。
自分の気持ちを伝えたつもりが、相手の行動が意図した通りにならなかった経験はありませんか?コミュニケーションの結果は聞き手の行動に現れます。つまり、自分の意図と異なる行動を相手がとることは、しっかりと思いが伝わっていなかった証拠なのです。
日本には古くから「以心伝心」という美しい文化がありますが、それに頼りすぎていては思いは伝わりません。自分目線の話ばかりをしても、興味を持ってもらえないのです。「プレゼン」はすなわち「交渉」。あなたの思いが聞き手の心に響くような「プレゼン」ができれば、出会ったばかりの人の心でさえも動かすことができるのです。
「プレゼン」は「プレゼント」。「伝える」ではなく「伝わる」意識を
いわゆる「ハイクラス」と呼ばれる方は、プレゼンのコツを掴んでいる方が非常に多いです。
身近なところで言えば、「ジャパネットたかた」の創業者・高田明氏は、数字を巧みに使って視聴者の購買意欲を誘います。池上彰氏は、難しいことを分かりやすく伝えるコツを熟知しています。石破茂氏は、街頭演説でその土地の地元ネタをしっかりと盛り込み、聴衆との距離を縮めて懐に入ります。
彼らのプレゼンに共通していること。それは、プレゼンは「伝える」のではなく「伝わる」ものだという意識です。言いたいことを羅列しているだけの独りよがりのプレゼンでは、聞き手の心に響きません。商品やサービスの良さを一方的に伝えるだけでは、聞き手に刺さらないのです。
話す内容にはストーリー性を持たせることが大切です。「プレゼン」は「プレゼント」。相手が泣いて喜ぶほどの内容を伝えられれば完璧です。