バイ・アンド・ホールドで利益を狙えるのは高級ワイン
高級ワインは不動産や絵画・骨董よりも価格が手頃ですし、飲んでも楽しむことができます。次から次へと新しい年代ものが登場しますが、世界中で飲まれて消費されてしまいますので希少価値から市場価格は上がっていく傾向があります。ワインの所有は、買ったまま放っておくバイ・アンド・ホールドで利益を狙えるのです。
現物の高級ワインを適温で保管しながら所有するのは大変なので、海外のワイン投資ファンドを調べたことがあり、年13〜15%の安定した運用成績でしたので、興味を持っていました。しかし、最低投資額が2000万円と高いので、2008年のリーマン・ショックの時に香港のアセットマネジメント会社にもう少し低い金額で投資できないかと相談したところ、「香港は酒税を撤廃したから、香港で現物のワインを買っておいたほうがいいですよ。自分も今、結構な本数を買っています」と言われました。
信用できる人物なので事情を聞いてみると、ワイン・ファンドよりもワインの現物への投資を勧めるのは、(リーマン・ショックの影響で)ファンドの解約が相次いでおり、資金ショートで償還がスムーズに行われないかもしれないなどのリスクがあるからだというのでした。
お金が必要になるのは、景気が良い時ではなく、悪い時です。ファンド会社が破綻しないまでも投資したお金が戻ってくるのが遅れるのは嫌だな・・と思いました。
世界中のお金持ちが高級ワインを所有しているのは、V.I.Pを接待するのに必要なこともありますが、預金や株式などの有価証券と異なり、国境を越えて所有できる上に、譲渡が容易なので、相続対策に向いているからです。
海外には贈与税やキャピタルゲイン税のない国があります。日本から近いところでは香港やシンガポールがそうです。世界中のお金持ちは、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、香港などに所有するワインを分散して保管しているというのです。これらの都市では、サザビーズやクリスティーズといった一流のオークションハウスが、ワインオークションを開催しています。