なぜ日本では「0円」で携帯電話が売られていたのか?

iモードの「功罪」。iPhoneは何を変えたのか

iPhoneになれなかったiモード

世界が日本の携帯電話をうらやむ中、07年に世界中の携帯電話市場を大きく変える製品が登場します。それがアップルのiPhoneです。iPhoneは携帯電話というよりも、超小型のコンピューターであり、手のひらサイズの本体に当時としては大型のディスプレイを搭載。データ通信をしながらパソコンと同じWEBサービスを使うことができ、またアップルがシェアを握っていた音楽配信サービス、iTunesも利用できました。

iPhoneの登場以前、海外ではスマートフォンと呼べる製品はあったものの、画面サイズは小さく数字キーで操作するか、あるいはタッチ画面を搭載しながらも付属の細いペンを使って操作する必要がありました。動作も遅く、パソコンと同じ体験を得ることはできなかったのです。しかしiPhoneは指先で自在に操作できたうえに、パソコンの画面を狭くしたかのように自由にインターネットを使うことができました。

iPhoneが携帯電話とスマートフォンの在り方を大きく変えた

iPhoneはその後、アプリにも対応。数々のアプリ開発者がこぞって面白さや便利さを追求するアプリを開発していきます。日本のiモードにも優れたアプリが多くありましたが、iモードという閉じた世界でしか利用できず、またターゲットは実質的に日本だけでした。そこがiPhoneとの決定的な違いです。日本でもiPhoneが発売されると、日本独特の割引販売がされたこともあり、一気に利用者を増やしていきます。

2010年代に入ると、iPhoneが携帯電話市場のけん引役となりました。新しいサービスやアプリは常にiPhone向けにリリースされるようになり、世界中の人々はこぞってiPhoneを購入していったのです。これに対し、グーグルがiPhoneへの対抗として08年にAndroid OSスマートフォンを投入するなど、アップル以外のメーカーが次々とAndroid端末を出していきます。数の上では10年にAndroidがiPhoneを抜き去りましたが、先進国の高所得者の間ではiPhoneの人気が高く、「スマートフォンで新しいことを真っ先に体験するならiPhone」という時代がしばらく続きます。

<<③「間もなく来る!?スマホ画面からアプリのアイコンが消える日」へ続く>>

◇山根 康宏(やまね・やすひろ)
1964年北海道生まれ。会社員時代に香港に駐在し、海外の携帯電話事情に興味を持ったのをきっかけに独立、携帯電話研究家となる。展示会や新製品発表会のため1年のうち250日以上を海外出張に費やしている。携帯電話1500台以上を収集するコレクターでもあり、最新機種から過去製品まで豊富な知識を有している。

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