米「ねじれ議会」はトランプ辞任へのカウントダウンの始まりか

共和党政権が辿る財政赤字への道

さて、今回の中間選挙の結果を受けて、トランプ大統領の政策はどう変わっていくのだろうか。

トランプ大統領は就任直後から、大幅な減税を実施して個人消費を膨張させ、景気や株価を押し上げることに成功した。加えて軍備増強やインフラ投資の拡大で、財政赤字の増大覚悟で政府支出を膨らませた。

こうした経済政策はしかし、過去の共和党政権の「いつか来た道」にすぎない。古くはレーガン大統領が、大幅な減税と軍備増強を実施して、最終的には「双子の赤字」(財政赤字と経常赤字)をつくってしまい、そのツケを「プラザ合意」によるドルの大幅切り下げという形で解決せざるを得なくなった。

ジョージ・W・ブッシュ大統領時代も、就任当初から大幅減税と軍備増強をぶち上げて、就任9か月目で米同時多発テロ事件に直面し、しなくてもよかったイラク戦争に突入した。加えて就任時はITバブル崩壊の途上にあり、任期満了直前の2008年にはリーマン・ショックに遭遇。経済的なパニックイベントを2度も経験する羽目になった。

米国は、ビル・クリントン大統領時代には財政黒字に転換したものの、結局は共和党政権になるたびに財政赤字に苦しめられてきた歴史がある。

トランプ大統領もまた、大幅な減税や無謀とも言えるインフラ投資、そして世界中に地政学リスクをばらまいて軍備増強を図っている。このまま行けば、莫大な財政赤字を作ることは目に見えている。そうなると、トランプ政権がいつまで支持率を維持できるのか、大いに疑問だ。

◇岩崎 博充(いわさき・ひろみつ)
経済ジャーナリスト
雑誌編集者等を経て1982年に独立し、経済、金融などのジャンルに特化したフリーのライター集団「ライトルーム」を設立。雑誌、新聞、単行本などで執筆活動を行うほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している。
『老後破綻 改訂版』(廣済堂出版)、『グローバル資産防衛のための「香港銀行口座」活用ガイド』(幻冬舎メディアコンサルティング)、『日本人が知らなかったリスクマネー入門』(翔泳社)、『「老後」プアから身をかわす 50歳でも間に合う女の老後サバイバルマネープラン! 』(主婦の友インフォス情報社)、『はじめての海外口座』(学研パブリッシング)、など著書多数。近著に『トランプ政権でこうなる!日本経済』(あさ出版)がある。

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