【敬語テスト上級編】「お送りいただけますでしょうか」を正しく直しなさい

言葉は生き物、敬語の「傾向」を見極めよう

もっとも、言葉は「生き物」です。敬語の正誤も少しずつ変化しています。たとえば、「〜お送りいただけますでしょうか?」は、厳密にいえば「です」と「ます」を重ねた二重敬語です。本来は「〜いただけますか?」が正しい表現です。しかし、本来の表現では“言い方がキツい”“敬意が足りない”と感じる人も、少なからずいるようです。そうなった場合、正しい敬語を使っているにもかかわらず、周囲から「あいつの敬語はおかしい」と思われかねません。今後、日本語としては正しくないとしても、その感覚が標準化していくことも十分に考えられます。

そういう意味では、敬語の正誤はもちろん、正誤のボーダー上にある敬語にどういうものがあるかについても、敏感にアンテナを張り巡らせておいたほうがいいでしょう。もちろん、周囲の人たちが、普段どんな敬語を使っているかにも耳を傾けましょう。テレビやラジオなども敬語を学ぶには“よき先生”です。敬語自体に強い興味・関心を寄せることが、敬語上達の第一歩です。

日本語の敬語には<唯一の正しさ>があるわけではなく、<ある程度の正しい範囲>があるにすぎないのです。この正しさは時代によっても変化します。したがって、私たちには、そのつど細かいニュアンスの差を敏感に嗅ぎ分けながら、そしてまた、自分自身の感覚(違和感のある・なし)や、世の中で使われている敬語の傾向(敬語相場)などを見極めながら、敬語を使い分けていくスキルが求められるのです。

◇山口 拓朗(やまぐち・たくろう)ビジネスメール
伝える力【話す・書く】研究所所長。出版社で編集者・記者を務めたのちに独立。22年間で3000件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて「好意と信頼を獲得するメールの書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書は『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』(日本実業出版社)、『伝わるメールが「正しく」「速く」書ける92の法則』(明日香出版社)など国内外で20冊以上。

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