「部長が申されたように」は間違え
☓ 会議室でお待ちいたしてください。
○ 会議室でお待ちになってください。
「いたす」は「する」の謙譲語です。自分がへりくだる形で「会議室でお待ちいたします」のように使います。この場面では「待つ」の尊敬語である「お待ちになる」を使いましょう。
✕ 部長が申されたように、多数決で決めましょう。
○ 部長がおっしゃったように、多数決で決めましょう。
○ 部長が言われたよう、多数決で決めましょう。
「言う」の尊敬語は「おっしゃる」や「言われる」です。一方、「申す」は「言う」の謙譲語です。したがって、相手を敬う必要のある場面では使えません。なお、相手から何か伝えられた際に、その真意を確認しようと「○○と申しますと?」と聞くのも不適切です。「○○とおっしゃいますと?」が適切な言い方です。
【目上の人の前で】
✕ この商品については、よく知っています。
△ この商品については、よく知っております。
○ この商品については、よく存じております。
「おる」は「いる」の謙譲語です。「知っております」でも敬意は含まれていますが、目上の人に対する敬語としてはベストとは言えません。この場合は「知る」の謙譲語 である「存じる」を使うといいでしょう。ちなみに、知っている対象が“人”のときは、「福田様のことは存じ上げております」という具合に「存じ上げる」を使います。