横浜市の中学校には給食がないことを知っていますか?

「ハマ弁」で代替も喫食率わずか2%

横浜市の中学では「給食ゼロ」の現実

なぜ、神奈川県では中学校の給食が普及していないのか。かつて人口が急増した際に、給食室の設置よりも教室の確保といった別の設備が優先されたためと見る向きが強い。特に県全体の35%以上を占める146校(17年5月1日現在)がある横浜市で、1校も給食が導入されていないことが大きい。

県の調査によると、17年5月現在で相模原市や小田原市、厚木市などでは全校で完全給食が実施されている。導入が遅れていた川崎市や鎌倉市でも、市民の要望を反映してようやく17年から全校で完全給食が始まった。横須賀市や平塚市などでも完全給食の導入に向けた動きが進んでおり、集計中の最新データでの実施率は40%を超えそうだ。

だが、県全体で見るとやはり横浜市が給食を導入しない影響は大きい。県保健体育課は「県としては給食の実施を進める立場にあるが、小中学校の設置者である市町村の判断になる。給食は成長期の子どもたちにとってバランスの良い食事を採れるし、食育の意味でも必要だ。今後も市町村には給食の実施を呼びかけていく」としている。

給食の代わり「ハマ弁」?横浜市が8億円の予算を計上

中学生の子を持つ保護者を中心に15年に発足した市民団体「横浜にも中学校給食があったら『いいね!』の会」が同年に実施したアンケートによると、「中学校給食をやってほしい」と答えた人の割合は実に95.7%に到達。アンケートには「働くママの負担を考えてほしい」「他県では当たり前の給食がないこと自体に驚きだ」「お弁当の中身でからかわれている子もいた」といった市民の厳しい意見が並んだ。

こうした民意を反映しようと、横浜市では16年から、業者弁当を注文できる「ハマ弁」(横浜型配達弁当)を導入。「ハマ弁」事業には今年度、7億9000万円以上の予算を計上している。

ある日の「ハマ弁」のおかず(ハマ弁オフィシャルサイトより)

しかし、「冷たくて美味しくない」といった生徒の意見や、7日前までに注文する必要がある仕組みが不評で、導入から2年が経過した18年7月の「ハマ弁」の喫食率はわずか2.2%。市が見込んだ喫食率を大幅に下回った影響で、16年度の「ハマ弁」の市費負担が1食あたり6000円を超えたとして今春の市議会で問題視された。

神奈川県の学校給食普及に取り組んでいる山口ゆう子県議は「ハマ弁は値段の高さも問題だが、弁当を持参している家庭には何ら税金の分配がないことになり、不平等だ。横浜市はハマ弁の喫食率を上げるよりも、公立中学校の完全給食実現に目を向けるべきだ」と指摘している。

それでも「ハマ弁」にこだわる横浜市、その理由は?➡

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