しゅはまはるみって何者?『カメラを止めるな!』の「ポンの人」

テレビには「世間の事情」が詰まっている! 遅塚勝一のお茶の間マーケティング講座

しゅはまはるみとの出会い。ここ一番で出てしまうハートの弱さ

『しゅはまはるみ』と初めて出会ったのは2002年だったか。
もう16年も経っているから、俺もびっくりするんだけど、下北沢で九十九一さんの舞台に招待されたとき、打ち上げの手伝いをしていた事務所の女優さんが「主浜はるみ」だった。TBCのナオミキャンベルの「ナオミよ~」(1996年とちょっと古い)のあのCMで、変身前のナオミ役だと紹介されて「ああっ!」と話は盛り上がり、生まれも育ちも下北沢だとか、なぜか日韓ワールドカップのチケットが余ってるなんて話になったりした。
ああそうか、だから2002年てハッキリ憶えてるんだ。そんな初対面だった。

「ポンの人」の中身 「しゅはまはるみ」

骨格の良い鈴木京香みたいな、伏し目がちな「美形」で、からっとシラケているんだけど裏に暗い闇がありそうな感じが気になって、舞台をやると観に行ったり、mixiの観劇サークルのオフ会で一緒に観劇したり、花見とか忘年会の手伝いをしてもらったり、プロデュース公演の出演者にキャスティングしたり、友人の女流作家の銀座の店のバイトに紹介したり、CMのオーディションにも来てもらったりしていた。

しかし、ここ一番に弱いというか「ハートが脆い」というか、大事な場面の「緊張しい」で、参加してもらったCMのオーディションのお母さん役の最終選考で、クライアントお約束の「子供に向かって優しい笑顔を見せてください」と、ビデオを回したら「頬が引きつっちゃって」ほぼ決まりかけた役を、落としてしまったこともある。

それが2004年「J-オイルミルズ」のCMオーディションの出来事。彼女も30歳になり、スーパーモデルの劣化版ではなく、普通のお母さん役を求められる歳になっていたのだ。

それからさらに14年。その間に小劇場にコンスタントに出てキャリアを重ねてはいたけれど、『しゅはまはるみ』の持つポテンシャルに見合った役に、今ひとつ恵まれなかった。その間、離婚したり、お遍路行ったり、古くは和泉雅子、最近で言うとはるな愛のように肥満というか「巨大化」したりと、不充足な年月を過ごしていたように思う。ただ、それでも演じることを忘れなかった。

「おそさん、来てよ・・・」

ゾンビ映画だという。しかも冒頭37分のワンカット、ENBUゼミの作品。

うーん、専門学校の学生が舞台本番の気分で映画を撮ったんだろうな、ある意味、劇場芝居はワンカットだもんね。上手くいったら、それはそれで、製作側にはカタルシスあるよな、でも俺、ゾンビ映画好きじゃないんだよな、なんで他人は、ゾンビにあんなに興味あるの分かんねえょ。てか面白いの、それ?さっき、江戸川橋の街中華屋で、たくさん食っちゃったし、居眠りしたらどうしよう。

しかしそれは、全て「杞憂」だった、
冒頭ワンカット37分のゾンビ映画シーンで、彼女は血まみれになって弾けまくっていた。突き抜けている、角を矯めていたのか?吹っ切れたのだ。まあ、あんなに熱心に「来てよ」と言うわな。

それでいて、実は37分のワンカットシーンは「派手な前奏曲」に過ぎず、詳しくは言えないがストーリーの構成は、とても「ジャンルへの愛情が豊か」であり、丁寧に良く練り込まれたもので、伏線回収も心地い手際だ。キャラ立ちもよく、ノせる演出も上手。制作側のチームワークの良さも画面から伝わってくる。ワークショップ作品であるのに「洗練」すら感じられた。

『Shall we ダンス?』や『ウォーターボーイズ』のような、ベタな日本映画の当たるセオリーまで随所に感じられて、アイディアに説得力が伴っている。
確かにインディーズでは「出色の傑作」だった。

ページ:
1

2

3

月間人気記事ランキング

  1. 登録されている記事はございません。

連載・特集

松下幸之助

PR

  1. EnCube(インキューブ)の効果は嘘?日本人が英語を話せない本当の理由
  2. 「転職させない」転職エージェントが考える真のキャリアアップとは?
  3. もしドラ 村瀬弘介 もし現代の経営相談をドラッカーが受けたら

《絶賛販売中!》Soysauce Magazine 創刊号

ソイソースマガジンオンライン
PAGE TOP