受験者5年で4割減!「AIで消える仕事」筆頭の税理士が、実はなくならないこれだけの根拠

KPMG税理士法人 駒木根裕一代表インタビュー

求められるコンサルティング能力

――AIの台頭についてはどのように捉えていますか。

駒木根:AIにできない仕事の一つが会社経営であると言われています。これからの時代は日本企業も税務をグローバルに管理していくことが必要になるとすると、私たちに求められるのは、経営にかなり近いコンサルティング業です。そこはAIで代替できないと思っています。これは国際税務に特化した税理士に限らず、他の税理士でも同じで、中小企業の経営者の相談役のような仕事は当然なくならないと思います。

多くの税理士にとって、今までは申告書の作成が業務の大部分を占めていた。その業務が自動化によってなくなったときにどう活路を見出すのかというのは、それぞれの業務で違ってくると思いますが、AIによって仕事がなくなってしまうのではなくて、いかにテクノロジーを使って生き延びることができるかを考えることが大切だと思います。テクノロジーを利用してビジネスを展開できるところは生き延びるし、そうでないところは難しくなるかもしれません。

photo by Toshiharu Ishibashi

――これからの時代の税理士にはどのようなスキルが求められるでしょうか。

駒木根:従来は、どちらかというと日本の税務に関するアドバイスが多かったので、机に座って色んなことを調べるタイプの仕事が多かった。しかし、最近は日本企業の海外の組織再編や海外での買収についての仕事が急激に増えています。そうすると、海外事務所の協力を得ながら効果的に業務を遂行しなければいけないので、プロジェクトマネージメントをする能力英語力はますます重要になってくると思います。申告書の作成のような「こなす」仕事がテクノロジーに取って代わられるという意味では、コンサルティングのような仕事ができないと、厳しい時代になってくるのかなという気はします。

テクノロジーの活用がカギ

――駒木根代表は海外に出向かれることも多いですが、海外の税理士の反応はどうですか。

駒木根:色んな国のKPMGメンバーファームのヘッドと定期的に会いますが、テクノロジー投資が経営上の一番の重要事項だというのがどこの国の責任者にも共通認識としてあります。企業が税務コンサルタントを決める際には複数のコンサルタントから選考するのが一般的ですが、担当者の経験や知識、値段に加え、最近ではどんなテクノロジーを使ってサービスするかというのも選考要件になってきています。各国の責任者との会議では半分くらいがテクノロジーの話です。どの分野にどう投資していくかという話をしていますね。

――具体的にテクノロジーを活用すると、税理士の仕事はどう変わっていくのでしょうか。

駒木根:既に申告書の自動化は進んでいて、その他にグローバルレベルで実用化されているのはデータ分析です。企業のERPに入り、税の申告の数字を海外子会社が間違えていないかをボタン一つで把握することができる。それから全世界の子会社の申告書に必要な情報を自動的に抽出してパッケージ化し、国ごとの申告書作成ソフトウェアに自動的にエクスポートできる仕組みもできつつあります。恐らく将来的にはこういう仕組みが当たり前になってくるので、BIG4の中でもテクノロジーをうまく活用できるか否かが、お客様に選ばれるかどうかの分かれ目になると思います。

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