【開幕まで1年】ラグビーW杯の成否が懸かる「スポーツホスピタリティー」の本質

③「社交の場」としてのスポーツの活用

お目当てのチームを応援し、その勝敗に一喜一憂するのが従来の観戦スタイルならば、スポーツホスピタリティーは現場の臨場感を仲間やクライアントと共有しながら、スポーツを「関係深化のツール」として享受できる新しい観戦体験です。試合の前後に食事や歓談の機会を設ければ、一緒に観戦する相手とは優に5〜6時間をじっくり共にする事ができるわけですから、クライアントとの時間を独占できる素晴らしいビジネスツールになります。

2015年ラグビーW杯イングランド大会でのホスピタリティー会場の様子(STH Japan提供)

旧来のスポーツ観戦では味わえないVIP待遇の中で過ごした印象と記憶は、会社の会議室での会話やありふれた接待などとは比較にならないほど遥かに強く、そしてポジティブに刻まれることでしょう。当該スポーツのファンとして純粋に楽しむ観戦者のパイからさらに広げ、スポーツ観戦を媒介に、仲間やクライアントとのボンディングを目的とした新しい観戦スタイルの構築が、スポーツ市場の拡大の一手になるのです。

地方活性化にも期待

日本の今後のスポーツ市場の安定的な発展には、高付加価値を生み出す新しいスタジアムの形態、スポーツコンテンツの魅力発信、社交の場としての新たな観戦スタイルの3点が常に相乗効果を生み出す構造的な改善が必須であると考えます。そしてこの3要素がやがて地方の活性化や人材・雇用の創出、スポーツコンテンツへの注目と期待の醸成、ひいては新興スポーツの導入とビジネス化など、好循環を生むものだと確信しております。

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◇嶋田 智之(しまだ・ともゆき)
1991年大手広告代理店入社。企業ブランディングや新商品開発に伴うマーケティング、ブランディングを数多く経験し、知見を養う。音楽専門テレビ放送局でのマネジメント職を経て、海外の観光局のレップ会社では日本支社長として10以上の国や地域、航空会社、ホテルブランドなどの日本市場でのマーケティングやPRを手掛けた。2017年STH Japanの設立に伴いマーケティング部長として入社。日本初の「スポーツ・ホスピタリティー」のマーケティングとブランディングの陣頭指揮を執っている。1969年東京生まれ。

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