ACのテレビCMから垣間見える、企業のお家事情 

テレビには「世間の事情」が詰まっている! 遅塚勝一のお茶の間マーケティング講座 第二回

がんばれACジャパン!

このようにCM枠が空く理由は、様々ですが、空いたCM枠に、契約外のスポンサーの広告を入れることは、義理人情と道義上、当然出来ません。

また、自社放送局の広告も入れられないことから(クライアントとの力関係によっては、値切られる可能性がある)、ほとんどの放送局でこの穴を埋めるべく、もともと「準備」されているACジャパンのCMで「お茶を濁す」ことを選択します。静止映像と音楽をまれに流すことがあるようですが、何も放送できなければ「放送事故」となってしまいます。スポンサーの自粛によって空いたCM枠の使用料は、当然、自粛したスポンサーが支払っています(もちろん、税金ではありません)。従って、テレビ局がACジャパンに対し、支払いを請求することもありません。

繰り返しますが、ACジャパンは政府の機関ではなく、建前上、公共マナーを改善しようとする「お節介な民間団体」であり、ある意味で業界の「互助会」として運営されているので、大災害、大事件、不祥事等にACジャパンのCMが繰り返しになってしまうのは、ある意味仕方のないことなのです。

「ACジャパンは悪くない!」

業界的に言うと「逆に」こういった団体のおかげで、うまくテレビ番組が回っていて平和な日常が保たれているといえます。

ACジャパンの広告制作の依頼をお待ちしております!

そうそう、ACの広告はなぜか制作現場のスタッフが「気合いを入れて」作りがちです。普通のテレビCMにはできない「ネガティブ」なものを作りたい、派手そうだが実は「暗い」という「広告製作業界」の潜在的な欲求が噴出しているものと思われます。俺も依頼が来たら大喜びで引き受けることでしょう。ACやりたいもん!

何気なくテレビを観ていると「考えさせる」「どよんとした」「トラウマに残る」。そんなACのCMが増えてきたら、その番組のスポンサーに「何かが起こった!」「世間がザワついている・・・」「いやな渡世だなぁ~」と深読みするのも、テレビとCMを楽しむ、大人な態度と言えるでしょう。

◇遅塚 勝一(おそづか かついち)
茨城県土浦市出身、1963年生まれ。大学卒業後、宣伝会議を経て、テレコム・ジャパンに入社。博報堂への出向の後、独立。CMディレクター、コピーライター、演出家として活躍中。 年間数多くのCM制作を手がける傍ら、ドラマ、映画、ラジオの企画や脚本にも携わっている。インタビュー・構成を担当した「時代とフザケた男」(小松政夫・著)が扶桑社より絶賛発売中。

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