もう少し「認知」について:認知=知覚+解釈

インヴィニオ社長土井哲の「One to One」トレーニング 【その3】

立場や環境によって同じ情報でも「解釈」は、180度異なることも・・・

「認知」のもう一つの要素は「解釈」です。
同じ事実を見ていても、それをどう解釈するかは、人によって異なります。また「解釈」が異なれば、そのあと取る行動も変わってきます。
たとえば、ある朝、目が覚めて何気なく空をみあげたら雲ひとつない良い天気だったとします。「今日は一日雨は降りそうも無いな」と解釈すれば、傘をおいて出かけるという意思決定につながります。

では、晴れた日にみんな同じ「意思決定」をするのか、というとそうでもないのです。
例えば私の場合、オフィスまで車を運転して通っています。このために、通勤について、雨はあまり気にならない。そこで、普段から傘を持ち歩きません。
むしろ太っているので、雲一つなく良い天気だったりすると、「今日は暑い一日になりそうだ」と思って、ハンカチやタオルを持っていかなければと思います。

このようにある事実をみても、それをどう「解釈」するかは、その人の生活環境や体質で異なってくるのです。
15年くらい前ですが、面白いことがありました。当時ローソンの社長をしていた新浪剛史さんは「コンビニ業界は飽和している」という発言を頻繁にされていました。ところが、セブンイレブンの鈴木敏文さんは、それとは対照的に「コンビニにはまだまだ成長の余地がある。潜在力は無限だ」というような趣旨の発言をされていました。
目の前にある過去の店舗数の推移のグラフは、事実として同じであるはずなのに、まったく違う見解を述べておられました。コンビニの店舗数推移などは、下記のリンクを参考にしてみてください。
http://www.garbagenews.net/archives/1565632.html

恐らくセブンイレブンの場合「自分たちは業界No1であり、地方の小さなコンビニチェーンなどはいつでも潰すことができる。それに(当時は)まだ出店していない県もある」と思われていたのではないかと思われます。

その後、ローソンは「ショップ99」を買収して100円の商品を並べる「ローソン100」を作ったり、薬局を併設する店舗を作ったりするなど「新しい業態」の開発にとても熱心になったのに対して、セブンイレブンは新業態の開発などはせずに、PBを増やしたり、高齢者向けの商品開発に熱心になったりました。

同じ事実を見ていても、業界におけるポジションが違っていたり(環境)、強み・弱み(体質)が違っていたりすることで、解釈は異なり、解釈が異なることによって次の行動も変わってきます。
いかに漏れなく「事実情報を知覚」するか、他者の「解釈」などと照らして「自分の解釈」に歪みが無いかをチェックする姿勢が必要になります。

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◇土井 哲(どい さとし)
株式会社インヴィニオ代表取締役社長
東京大学経済学部卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。在職中にM.I.T.(マサチューセッツ工科大学) スローン経営大学院卒業。92年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。主に通信業界、ソフトウェア業界のコンサルティング、情報システム構築のコンサルティングに従事。同社を退社後、95年ベンチャー企業支援のコンサルティング会社の設立に参加。97年7月、インテリジェンスビジネスプロフェッショナルスクール運営会社、株式会社プロアクティア(現株式会社インヴィニオ設立に伴い代表取締役社長に就任。経営者養成の研修の企画のほか、企業の実際の課題をとりあげた戦略研修などを担当。

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