「ハズキルーペ」のCMには、バブル経験者の生きざまが詰まっている!

テレビには「世間の事情」が詰まっている! 遅塚勝一のお茶の間マーケティング講座

出演者のギャラはクライアント持ちで、製作はローコストで「美味しい」

実は、通販番組がここまで成長したのは、テレビ局側にとってローコストの制作という「美味しさ」がある。
通販会社のオーナーが「お気に入りのタレント」を起用するので、それなりのビッグネームが集まるうえに、出演料は通販会社の負担だ。その上で、番組制作は下請けのプロダクションに格安で「丸投げ」となる。
出演する芸能人側にしても、何本かまとめ撮りするので拘束時間は短い。影響力のある大物俳優クラスだと1本数百万円という話も普通だから、通常の番組に出演する場合の「相場」よりも実入りは良い。

「売上」が上がると割と素直に「ギャラもアップ!」する。つまり、出演する芸能人にとっても通販番組にとってもWinーWinの関係となっている。よって、こうした「生コマ」というのは「くどいぐらいのわかりやすさ」を命題としている。

逆に言うと「自分は広告をわかっている」と思っている人からは、好感度を持たれないくらいが適当となる。
さて、この前提で、巨万の広告費を投入し、一流スタッフとメジャータレントで「どまんなか」のCMを作ると、どうなるか?
こう考えると「ハズキルーペ」は、実は広告として堂々としている。
「ぶれない」「気になる」「男の夢だ!」

この「生コマ的感覚」は、現在web上でも、ジワジワと広がっている。
60秒をじっくり見せる「長尺」が可能な「ネットメディア」とは相性がいいのだろう。実際にハズキルーペは新しいCMのたびに、70代から60代、50代、さらに40代30代とユーザーを若年層に拡げ、累計で300万本超、250~300億円ともいわれる累計売上となっている模様だ。

現在はさらなる大型展開に向けて、松村会長が企画から指揮を執りながら次のCMを進めているという。

こうなってくると、いっそのことさらに様子のおかしい新作が見たくなるから不思議だ。
次のタレントは誰が登場するのか?
そう、中村雅俊のハズキルーペならどうなるか?相手役の五十嵐淳子は夫とハズキルーペを、やはり「夜の銀座」で尻に敷くのだろうか?

現役のCMディレクターとしても、クリエイティブな妄想は深まるばかりだ。

◇遅塚 勝一(おそづか かついち)
茨城県土浦市出身、1963年生まれ。大学卒業後、宣伝会議を経て、テレコム・ジャパンに入社。博報堂への出向の後、独立。CMディレクター、コピーライター、演出家として活躍中。 年間数多くのCM制作を手がける傍ら、ドラマ、映画、ラジオの企画や脚本にも携わっている。インタビュー・構成を担当した「時代とフザケた男」(小松政夫・著)が扶桑社より絶賛発売中。

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