”転職させない”転職エージェントとして注目を浴びている「Soysauce Recruitment(ソイソースリクルートメント)」。事業責任者である田中淳二氏に、転職希望者の市場価値を最大限に高めるための「マーケティング思考のキャリアアップ論」について語ってもらいました。
損だらけ!「負の転職パターン」に陥っていませんか?
「働き方」が多様化し、労働人口が減少している昨今では、気軽に転職をする方が増えてきています。そのような環境下で「今より良い環境」「今より高い年収」といった「今よりもっと」を実現するのは、そう難しいことではありません。現に多くの方が年収アップに成功しています。
ところが、年収アップを実現したにもかかわらず、転職したことを後悔し、1年ともたずに早期退職してしまう事例も増えており、弊社にもたくさんのご相談が寄せられています。転職は悪いことではありませんが、いつの間にか労働市場における「落とし穴」にハマってしまっている方が後を絶たないのです。
それゆえに、私たちの方針の根底には、「できる限り転職を食い止める」という考えがあります。私たちは転職希望者の「転職」を目的とするのではなく、ひとりひとりのキャリアの「成功」を目的としているのです。
ここでお伝えしたいのは、転職が少ないほうが良いというありきたりな話ではありません。「どうすれば真の意味での成功を手に入れられるのか」ということです。人生を左右する「転職」という大きな決断を、誤った方法で台無しにしてはいけません。
大手企業での順調なキャリアが一転。泥沼からは簡単に抜け出せない
大手のIT関連企業で営業職をされていたAさんは、それまでに培った知識や経験を活かし、コンサルタント職へのキャリアチェンジを目指して転職活動をされていました。元いた企業よりも小さな会社ではありましたが、年収もこれまでより高いオファーをもらえたこともあり、内定を受諾されました。
クライアントの様々な課題解決に取り組むつもりで、新たな環境に期待を膨らませていたAさん。ところが、実際に入社してみるとそこは、想像とはまったく違う世界でした。
いざ業務が始まってみると、求められるのは新規開拓の営業と変わらない仕事ばかり。数値ノルマも厳しく、達成できなければボーナスは出ません。さらに深夜残業を当たり前とする過酷な環境で、以前と比べて家族と過ごす時間は大幅に減ってしまいました。
そこで再度転職活動をスタートさせたAさんですが、現実は甘くなかった。元いたIT関連企業と同じ規模の大手は、一度小さな企業に転職したAさんに対して、満足のいくオファーは出してくれませんでした。中小企業もコンサルタントとしての職務経験が無いAさんに対しては、新規開拓の営業要員としてしか見てくれなかったそうです。
その後、Aさんは一番条件の良さそうな企業に渋々転職しました。しかし、そこでも自分の理想とのギャップに悩み、また転職。最終的に弊社にご相談に来られるまで、計4回も職を変えていました。