躍動、もしくは動く視線

最初の場所では・・・その2

ヴラマンクはモチーフになぜ「道」を選び続けたのか?

風景でいえば、フランス北部のひなびた町の、家並みの間を走る「道」の絵が、繰り返し描かれた。全体に暗い色調だが、行く手には、うっすらと光明が差している。
おそらく私は、鎌倉に来る前にも渋谷の展覧会で、何枚もこうした絵を見ていたはずである。しかし、鎌倉で再び同じような絵に対面して「またか!」という感慨を覚えるとともに、ある疑念が萌した。
私の裸眼が、「この道は変だぞ!」と告げるのだ。

前記図録に載っている、1931年制作の「村の街道」を例にとろう。鎌倉でみたのは、まさにこういう絵だった。
人影はなく、数軒のわびしい人家の間を道が、ほぼまっすぐに奥に向かって伸びている。典型的な「線的遠近法」の構図だ。ただ、その道が水平でなく、手前左側から道の途中まで、絵の具がうねうねと塗りこめられ、対する右の方は鏡のように滑らかなのだ。つまり、「道」の左が盛り上がり、右の方が下がっている。傾斜が付けられているのだ・・・。これははたして「実景」なのだろうか?

「実景」には違いなかろうが、どうもそれまでの西洋の画家には、あまり見られない「描き方」のような気がした。道に「躍動感」があるのだ。

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