「酸」も「アルカリ」も。どちらも大切!

最強のサラリー社長 谷口健太郎の心を据える「ビジネス道」 【その2】

理系出身なので「陽明学」を「酸とアルカリ」で理解

「なんのこっちゃ?」と思われるかもしれませんね。
酸(塩酸や硫酸など)その濃いやつは、いわゆる強酸であり、触るだけで火傷をしてしまう厄介なものです。一方で、アルカリ(この場合は「塩基」の意味)もアルカリ金属のナトリウムなどは、水と反応し激しく自然発火して、黄色というかオレンジ色(だったと思います。高校生のころの記憶なので)の炎をだして、燃えてしまう危険なものです。

ただ、この強酸性のものと強アルカリのもというのは、自然界では「超不安定」な状態であり、ほっておくとお互いにくっつき合いやすく、くっついたら塩になって、自然界では安定するという代物です。

例えば、食卓に並んでいる「食塩」は、その激しい性質の「ナトリウム」と塩酸の素である「塩素」が一緒になって「塩化ナトリウム」になったもの。激しく危ない物質同士が結びついたら、あら不思議、食べて美味しいと感じ、人間のからだにはなくてはならないものになっているのです。

「酸とアルカリ」。これと「謙虚さ」「人のために動く」ということと「人と競う」が、どう関係しているかといいますと、「競う」ということが、いわゆる「酸」であり、「謙虚さ」「人のために動く」ということが、いわゆる「アルカリ」に例えられると考えてください。

「謙虚さ」「人のために動く」ということは、別の言い方をすると「徳」というような言葉にあてはめられるとも思います。「競う」ということも単に競争するだけでなく、その人の持っている競うための「能力」などもひっくるめて「酸」と考えると、例えを理解しやすいと思います。

人は「酸」にあたる「競争」や「能力」だけでは、強酸性で、生きていけないということです。生きていけても「強酸」なものが自然界では、とても不安定であるように、すぐに崩れてしまうのです。

その一方の「アルカリ」、つまり「徳」に代表される「謙虚さ」や「人のために動く」ということも、究極を求めるとそれもまた「劇物」なのです。
例えば修行をしているお坊さんが、人間のなかにある煩悩や欲、とくに食欲や性欲や睡眠欲といった、動物であるからゆえに人間に「もれなく」くっついている欲を「完全に無くそう」として、厳しい修行をしていくうちに、自分の身体すら自分で燃やしてしまうといった「悲しい結末」を招くようなものです。「アルカリ」のように「徳」だけでも、実は自然界に安定して存在しえないということなのです。

BSも「酸とアルカリ」で、読み込んでみると見えてくる景色が変わる!

会社の財務諸表には「バランスシート=BS」というものがあります。
これを「酸」と「アルカリ」に例えると、左側の資産の部が「酸」、右側の負債の部が「アルカリ」と思ってください。
自分が一生懸命に切磋琢磨して、勉強して能力を高めた(あるいは、生まれながらの天賦の才能も沢山ある場合も)結果がこの「資産の部」に、たくさん積み上げられていると思ったら良いと思います。当然、会社は「資産の部」だけでは成り立たず、逆側に「負債の部」も必ずあって、この負債の部が「アルカリ」であり「徳」だと思ったらよいと思います。

自分の能力や競争の結果が、とても大きな資産となっているような場合、結果として世の中では、とてもすごい勢いで伸びていく会社になっていると思います。いわゆる「酸性」の会社ですね。
ただ、ある極限を超えた瞬間に「酸」だけ「競争」だけ「能力」だけで「正論を吐いている」会社というのは、自然の摂理のように社会から「淘汰」されていきます。

具体的な会社の名前は出しませんが、粉飾決算でつぶれて社長が逮捕されたり、投資ファンドなんかで、いろんな「正論」は吐くものの、結局は「酸」だけの会社というものは、民衆からそっぽを向かれ、いずれ「自然淘汰」されていくものです。

「能力」や「競争力」が伸びていくときは、なかなか「アルカリ」である「徳」を同時に同じだけ積み上げることはできませんが、後からでも良いので、地道に「徳」を積み上げていくということが、会社や人間の「バランス」をとって、自然界で安定していくために必要なことなのです。

振り返ってみると、会社や人間が「伸びていく」ときは、どちらかというと「弱酸性」、「安定」していくためには「弱アルカリ性」というのが、世の中の自然の道理なのでしょう。

皆さんの家庭も考えてみてください。「アルカリ」であるお嫁さんやお母さんが、旦那さんやお父さんよりも「ちょっと強い」というか「元気」なほうが、家族全体は「弱アルカリ」となり、毎日の暮らしも、うまくいっているのではないでしょうか。

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