仕事の実力を伸ばすには、まず、自分の「動機」を知ろう!

インヴィニオ社長土井哲の「One to One」トレーニング 【その1】

そして「成果」を出すには、当たり前ですが「行動する」必要があります。みなさんの中に超能力者がいて「念じるだけで仕事が受注できる」というような人がいれば別ですが、通常は、商品の特徴を上手に説明したり、価格の交渉をしたりと「行動」を起こさない限り相手は発注してくれません。「成果」をあげるためには「行動」が不可欠です。では、その「行動」を支えている要素は何でしょうか?

図1

図1で示す通り「行動」には様々な要素が、影響を及ぼすと考えられています。図の中の三角形の部分が、あなたの「内面」つまり「こころと頭の構造」と考えてください。この三角形は「行動」を起こすための陸上競技の「スターティングブロック」のようなものです。あなたの「行動」のスタートダッシュを支える役割を果たします。

その中でも一番根っこにあって、かつ「変わりづらい」のが性格特性・動機。「動機は」英語で「Motive」と言います。スターティングブロックの土台にあたるものが「動機」なのです。

わたしは自分の「動機」を客観的に知るために、キャリパー社が提供している「診断テスト」を受けたことがあります。その結果、わたしの場合は、感応力(人の気持ちをわかりたい)、復元力(すぐに立ち直りたい)、感謝欲(人に喜んでもらいたい)、抽象概念理解力(抽象的なことを理解したい)、アイディア志向(アイディアを生み出したい)、内的管理(自分でものごとを決めたい)、新規リスク志向(リスクをとって新しいことにチャレンジしたい)などの「動機」が強く、逆に、慎重性(慎重に行動したい)や外的管理(人に物事を決めてほしい)は、とても低いことがわかりました。

実際、ある程度自由度があり、クライアントのためにあれこれ考えて仕事をして、その結果に対して、お客様から喜ばれるような仕事をしているときに「充実」することが多いというのが実感です。これまでの自分の「紆余曲折」を振り返ってみると、まさにこのテストの結果通り、自分の「動機」のパターンによってわたし自身の人生が、かたち作られていると感じます。

もちろん人間の「行動」は「動機」だけで100%決まるわけではありません。

仕事で継続的に高い「成果」を上げている人を「ハイパフォーマー」などと呼びますが、「ハイパフォーマー」とされる人をインタビューしてみると、必ずしも「動機」にない事でも、意図的に「行動」する事で「成果」を上げている場合も多いのです。

このような後天的に意識して身につけた(つけざるを得なかった)行動を「修正行動」と呼びます。「動機」としてはけっして強くないが、仕事上必要なので「意識」をする事で新たに身につけた「行動」です。「修正行動」も、すっかり身につけば、ストレスを感じることは無くなるのですが、そうなるまでは、逆にストレスを感じ続けることになります。

さて「動機」について厄介なのは、人によって全くそのパターンが違うことです。つまり他者との関わりの中で仕事をしようとすると、チームとして成果を上げるには、相手の「動機」も理解する必要があるということです。チームとしては、他者にその人なりの「動機」にあった役割を設定すれば、結果に結びつく「行動」を引き出しやすいですし、その逆をしてしまうと「行動」が引き出せないどころか、チームそのものが機能しにくくなります。

「動機テスト」を受けるのは、それなりにコストがかかるのですが、自分がどのような「動機」を持っているかを知っておくことは、自分を生かす「キャリア」を考えるのに役立つだけでなく、自分の日々の「モチベーション」を、高く維持するヒントも得られます。また、ビジネスパートナーの理解にも大変役立ちます。

「動機」の理解は、自分を活かすという観点から、現代において効率の良いキャリア開発の第一歩なのです。

次回は、行動の「スターティングブロック」の構成要素である「マインドセット」や「知識・スキル」について、詳しく解説していきます。

連載第二回はコチラ→

◇土井 哲(どい さとし)
株式会社インヴィニオ代表取締役社長
東京大学経済学部卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。在職中にM.I.T.(マサチューセッツ工科大学) スローン経営大学院卒業。92年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。主に通信業界、ソフトウェア業界のコンサルティング、情報システム構築のコンサルティングに従事。同社を退社後、95年ベンチャー企業支援のコンサルティング会社の設立に参加。97年7月、インテリジェンスビジネスプロフェッショナルスクール運営会社、株式会社プロアクティア(現株式会社インヴィニオ設立に伴い、代表取締役社長に就任。経営者養成の研修の企画のほか、企業の実際の課題をとりあげた戦略研修などを担当。

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