仕事ができない人に共通するダメなビジネスメールの書き方①

メールは仕事を進める上での必須ツールです。どれだけ賢くて立派な知識や技術を持っていても、メールを上手に使いこなせなければ、「仕事ができない」という烙印を押されかねません。そこで今回は、「ダメなメール」の例を示しながら、正しいビジネスメールの書き方をおさらいしてみましょう。(伝える力【話す・書く】研究所所長 山口拓朗)

ビジネスメール
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重要度を増すビジネスメール

様々なビジネスシーンにおいて、メールの重要性は増すばかりです。対面や電話でやり取りする場合でも、最終的にはメールで要点を伝える形が多く見られます。突然の電話は相手の時間を奪う行為だという風潮も強まっており、営業などでもまずはメールでアプローチを掛けるといった場面も少なくありません。

一方で、メールでのコミュニケーションがうまくいかず、誤解を生んでミスやトラブルを招いてしまうケースも多々あります。たった一通のメールで相手を困らせてしまったり、怒らせてしまったりした経験のある方もいるのではないでしょうか?その結果、メールを書いた本人の信頼や、会社としての信用までもが急落してしまうことさえあるのです。

ダメなメールの典型例

では、いわゆる「ダメなメール」とは、どういうメールを指すのでしょうか。以下はダメなメールに見られがちなポイントです。

①件名があいまい

②何が言いたいのかがわからない(言葉足らず)

③相手にどう動いてもらいたいのかがわからない

【原文A】
件名:お疲れ様です

山田太郎様

お世話になっております。

例の件ですが、お打ち合わせ、いかがでしょうか。

金曜日は13時から会社におります。

カタログのほうも、どうぞよろしくお願いいたします。

①〜③のポイントが凝縮されたようなメールです。恐らく、このメールを受信した山田さんの頭には、さまざまな疑問が浮ぶことでしょう。

「例の……って何だっけ?」

「お打ち合わせ、いかがでしょうか……ってどういうこと?」

「金曜日は13時から会社にいるから……どうしろと?」

「打ち合わせを望んでいるとしたら、いつ、どこで行うの?」

「カタログって……何のカタログ?」

「カタログのほうもよろしくって……どうすればいい?」

言葉足らずもはなはだしく、受信者にどう動いてもらいたいのかも、よくわかりません。送った側は「この文面で伝わっている」と思っていても、結果的には受信者の混乱を招いてしまっています。「悪文」ならぬ「悪メール」と言わざるを得ません。

そもそも件名が「お疲れ様です」では、相手に不親切かつ失礼です。スパムメールと間違えて迷惑メールフォルダやゴミ箱に捨てられてしまうリスクもあります。件名はメールの内容を簡潔に示したものでなければいけません。

【原文Aの改善文1】
件名:杉並区小林邸のお打ち合わせのお願い

山田太郎様

お世話になっております。
株式会社○○の小林です。

杉並区の小林邸の間取りと仕様について
お打ち合わせしたくご連絡差し上げました。

打ち合わせ日時は8日(金)の13時〜14時でいかがでしょうか。
弊社までお越しいただけると助かります。

なお、お打ち合わせの際に、
A社製キッチンのカタログをお持ちいただけると助かります。

どうぞよろしくお願いいたします。

「伝えたい内容」と「相手にしてもらいたい行動」を具体的に示したこの文面であれば、受信する山田さんも首をかしげることはないでしょう。

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