なぜ賛成? 就活対策”ヒゲ教授”が語る「就活ルール廃止」を進めるべき骨太な理由

「いい大学→いい企業」が最高ではなくなる
――解禁日がなくなると、就活をしなくなる学生が増えると仰っていました。
「最初のうちはそうなるでしょう。準備期間も含めてその間に我々大人がきちんと働くことの意義を教えていけば、必ず変わっていくと思います。働き方改革が進み、次は人づくり革命だというこのタイミングで就活ルールの廃止が議論になっているのは、日本人の働くことへの意識を変える上で非常に面白いと思います」

――就活ルールが廃止されると、企業の採用活動はどうなっていくのでしょうか。
「日本の働く文化そのものを変えなきゃいけないことになります。例えば、今新卒は4月1日にまとめて入社し、そこから研修やジョブローテーションによる育成を経て職種が決まっていくのが一般的です。でも通年採用という形になったら、それは崩す必要がある。もっとも、職種も決まらずに入社するのは日本が独特なんですけどね」

――大学生の本分である学業が疎かになる点を危惧する声もあります。
「目的が変われば、大学の選び方自体が変わってくるでしょう。働くことへの意識が変われば、『この職業に就きたいから、この大学に行く』と進学の目的が明確になってくる。有名大学に行くための受験勉強ではなく、目当ての教授の元で学ぶことを目的とした受験になってくるでしょう。『いい大学を出て、いい企業に入社するのが最高』という文化は変わっていきます」

――就活ルールの今後はどうなっていくでしょうか。
「就活ルールの廃止というのは決して今出てきたばかりの議論ではありません。6月1日の採用活動解禁日に既に内定保有者が60%以上出ているように、実質形骸化しています。経団連に属さない企業では、3年生の段階から内定を出しています。場合によっては1年生から「内定パス」を出す企業さえある。ですから我々の中では、2021年卒就活はルールが変わる時期だという認識はありました。もちろん大学にも企業にも様々な意見がありますから、すんなりとは移行できないとは思いますが、今回の『就活ルール廃止』発言を一度前向きに捉えていく必要があることは間違いないでしょう」

就活ルール

◇小澤明人(おざわ・あきひと)
1958年、東京生まれ。リッチピクチャーズ(株)プロデューサー。長年企業研修やビジネススクールの運営に携わり、日本初の「就活サポートセンター」を設立。学生や求職者の視点に立った就活指導が好評で、全国の大学や官公庁、自治体などで就活セミナーや人事担当者向け採用セミナーを開催している。愛称は「ヒゲ教授」。著書に「ヒゲ教授の辛口就活対策本部」(雇用開発センター)など。

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