新築一棟不動産投資を手掛ける株式会社フェイスネットワーク(東京都渋谷区)は、土地の仕入れから設計、建設、賃貸募集、物件管理、物件売却、さらには税金対策に至るまで、ワンストップで顧客に寄り添うサービスを展開。「お客様の夢の実現のサポート」を経営理念に、2018年3月東証マザーズ上場を果たした。蜂谷二郎社長(49)は信用金庫で融資営業を長らく務めた経験から、顧客との対話を重視するスタイルを貫いている。(Soysauce Magazine Online編集部)
100人には100通りのプレゼンテーションがある
――2001年設立のフェイスネットワークは、今やサラリーマンにも身近になりつつある不動産投資の先駆け的存在です。元信用金庫職員の蜂谷社長が起業した経緯を教えてください。
「信用金庫では約13年にわたり、融資営業として相続や不動産の有効活用、事業継承のサポートを担っていました。景気の良かった時代からバブル崩壊に至るまで、色んなことを見てきた中で、お客様本位の不動産業者が少ないと感じるようになりました。不動産のことはよく分かっていても、金融のことや資産形成の知識については乏しい担当者が多かった。そこで、金融と不動産、個人の資産形成ができる企業が必要とされると思いました。今私たちが提案している『one to one マーケティング』というのは、信金時代から変わらない『100人のお客様には100通りのプレゼンテーションがある』という考えに基づいています。生活様態や事業体など、お客様は人それぞれ違うので、各々に適した資産形成やポートフォリオの作り方を私たちの経験の中からご提案させていただいています」
――土地の選定からデザイン、設計、建設と、投資家自らがゼロから物件を作れるサービスがフェイスネットワークの特徴です。
「アパートやマンションの購入というと、既にできている物件を買うのが一般的でした。そこをゼロから手掛けることで、どういう部屋だったら入居者が住みたいと思えるのかということをオーナーさん自身が考えられる。我々はデベロッパーとして設計も施工もできるので、やろうと思えば収益を上げるためにコストを安くすることはいくらでも可能です。しかし、オーナーさんの目があることでより良い物件に変えていける。オーナーさんも、どこにコストを割くかといった細かい部分にまでこだわることができる。こうしたことができる一棟マンションは少ないです」