【松下幸之助】グローバル時代で生き残る3つの経営キーワード「変身」「コラボ」「駆逐艦」

対応上手な東レ、富士フイルム、ファミマ

1を2にするコラボ経営

「コラボ経営」というのは端的に言えば、「1を2にする経営」です。日本では人口がどんどん減っていきます。それはつまり、マーケットがシュリンク(shrink 縮小)していくことを意味します。そこで大事になるのが、一人のお客様を二度使う、また一箇所を二箇所として使う、という「1を2にする」考え方です。

最近、会社への出社を義務付けずに柔軟に働く「テレワーク」が推進されています。そこで、たとえばカラオケ店は基本的には昼間は空いていますから、夕方まではテレワークの人たちに部屋を貸し出す。そして夕方からは、カラオケ店に戻る、というように、カラオケ店とテレワーク貸室で商売すれば、一箇所を二箇所として使うことができます。

あるいは、コンビニがカラオケ店を経営する。カラオケの客にコンビニの商品を販売すれば「一人の客を二度活用する」ということになります。これは、「ファミリーマート」と「ビッグエコー」を手がける第一興商が提携し、東京・蒲田で展開しているように、もう何カ所かで始まっています。これからの時代は、このような「コラボ経営」を新しい経営の形として考えていく必要があります。

最後の「駆逐艦経営」というのは、事業単位で別会社を作り、できるだけ、規模拡大を抑えることです。大企業がこのところ、呻吟し、なかには倒産消滅しているのは、「規模の経営」が時代に合わなくなっているにもかかわらず、依然として「規模の経営」にしがみついているからです。いくら大きくても、一人当たりの利益が上がっていなければ、「巨大岩石」と同じです。これからは、小さくとも「一人当たりの利益」が大きい会社が「ダイヤモンド会社」となります。

そのためには、「駆逐艦経営」をすべきです。「ホールディングス化」といえば分かりやすいかもしれません。技術が人間を超えるとされる、まさに何が起こるか分からない時代です。ですから、変化に即座に対応できる機敏さ、小回りを確保する必要があります。逆に、合併を重ねて巨大化していくと、変化に即応できないばかりか、何が問題でどこに責任があるのかが不明になる。もう戦艦大和や戦艦武蔵の「大艦巨砲の経営」は、時代遅れだということです。大企業を目指すにしても、「駆逐艦会社」をまとめる「ホールディンク化」を考えたほうがいいでしょう。

時代が流れる速さは時とともに増し、グローバル化は留まることを知りません。経営者に求められる判断やスキル、能力の難易度は、昔とは比べることもできないほど、上がっています。こういう時代だからこそ、「国民性」「普遍性」「時代性」を意識した経営をしていく必要があるでしょう。

◇江口 克彦(えぐち・かつひこ)松下幸之助 流
1940年2月1日、名古屋市生まれ。松下電器産業入社後、PHP総合研究所へ異動。松下幸之助の側近として23年間過ごした。2004年に同研究所社長に就任し、09年に退任。10年から参議院議員を1期務めた。松下に関する著書が多数あり、講演にも定評がある。

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