【松下幸之助】グローバル時代で生き残る3つの経営キーワード「変身」「コラボ」「駆逐艦」

対応上手な東レ、富士フイルム、ファミマ

常に貫く経営基本理念

二つ目は、「普遍性」についてお話しましょう。経営者にとって、どんなに環境や状況が変わろうとも、貫く棒の如き一つの方針、すなわち「経営基本理念」を持つことは欠かせません。

松下さんは常に「世のため、人のため」という考えを変えませんでした。「公を根底にして、正しい商売をする」。松下さんはよく、「人間は、誰もがダイヤモンドを持つ偉大な存在である」と話していました。

ダイヤモンドという貴重な宝石を持っている人に対して、故障するような商品を造ったり、売ったり、デタラメな価格で販売したりするのは「失礼」であり、「生産者として恥ずべき行為である」という考え方でした。トップである松下さんがこの考えを貫いていましたので、当時は末端の工場にいる作業員も同じ気持ちで一生懸命作業していました。ですから、不良品やリコールされるような商品を、平然と市場に出すような卑怯なことはしませんでしたし、経営においても、会計やデータなどで不正が行われるというようなことは、ありませんでした。

時代に合わせた経営手法の変化

一方で、「時代性」に合わせて経営手法を変化させていくことも必要です。技術はどんどん進歩していきますので、商品や与えるサービスはもちろん、造り方なども当然、変えていかなければなりません。消費者の好みにも変化があります。

そのため経営者は、変化に対応する「即応力」、すなわち「時代性」を、常に念頭に置いておかなければならないでしょう。そのような「時代性」に対応するためには、経営者は「変身経営」「コラボ経営」「駆逐艦経営」の三つを、常に心掛けておくべきだと思います。

「変身経営」というのは文字通り、会社の事業内容を時代に沿ったものに変えていくことです。例えば大手化学企業「東レ」の社名にある「レ」は、化学繊維の「レーヨン」が由来ですが、現在レーヨンは造っていません。アクリル繊維、炭素繊維を始め、人工腎臓まで手掛けています。

富士フイルムも、今年ついにフィルムの生産終了を決めました。今では化粧品が主力ですが、次の事業展開として製薬にも力を入れています。このように、多くの企業が生き残りのため、時代とともに経営を「変身」させています。この変身経営は今後、大企業、中小零細企業を問わず、重要な課題になると思います。

2045年は、人工知能(AI)などの新技術が人類を追い越す「テクニカルシンギュラリティ」の年だと言われています。そのときに自分の会社がどう変わっていくべきか。今のうちから最先端の新技術や時代変化、そして顧客ニーズを予測、把握しつつ、経営を進めていくことが必要です。

ページ:
1

2

3

月間人気記事ランキング

  1. 登録されている記事はございません。

連載・特集

松下幸之助

PR

  1. EnCube(インキューブ)の効果は嘘?日本人が英語を話せない本当の理由
  2. 「転職させない」転職エージェントが考える真のキャリアアップとは?
  3. もしドラ 村瀬弘介 もし現代の経営相談をドラッカーが受けたら

《絶賛販売中!》Soysauce Magazine 創刊号

ソイソースマガジンオンライン
PAGE TOP