Bリーグ・千葉ジェッツの成功は「密着」じゃない、「地域愛着」という名の戦略

5月に2シーズン目を終えた男子プロバスケットボール・Bリーグ。一般認知度やファン層が着実に拡大している中、圧倒的観客動員数を誇るのが千葉ジェッツふなばしだ。数年前まで経営破綻寸前だったクラブを蘇らせた島田慎二社長は、「地域愛着」を合言葉に、更なる野望に燃えている。(Soysauce Magazine Online編集部)

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©CHIBA JETS FUNABASHI

破綻寸前からリーグ1の観客動員数を誇るクラブへ

Bリーグ2代目のチャンピオンが決まった5月26日。B.LEAGUE チャンピオンシップ ファイナルの会場となった横浜アリーナは、千葉ジェッツ対アルバルク東京という首都圏の人気チーム同士のカードということもあり、リーグ史上最多の1万2000人を超える観客で埋め尽くされた。

横浜アリーナでバスケの試合が開催されるのは、NBAの開幕戦が行われた1994年以来実に24年ぶりのこと。野球、サッカーに次ぐ国内プロスポーツリーグの2シーズン目としては、上々の締めくくりだった。優勝こそあと一歩で逃したものの、千葉ジェッツの躍進には多くのメディアが注目した。

2017‐18シーズンの平均入場者数はリーグ断トツトップの5196人。2位のレバンガ北海道が記録した3743人と比較しても、その集客力の高さがよくわかる。文字通りビジネス面でBリーグを牽引している点が評価され、今年3月には第1回日本ビジネス大賞「ライジングスター賞」に輝いた。

今や日本バスケ界を代表する存在となった千葉ジェッツだが、2012年に島田社長が就任した当初はチーム成績は振るわず、経営面でも大赤字で消滅の危機を迎えていた。再建の鍵となったのは、地元企業からの資金援助だ。
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島田社長は「魅力あるチームにするにはお金が必要」と地元企業をくまなく歩き回り、支援を呼びかけた。ただし、人気も実力も乏しいチームにスポンサーを付けるのは容易ではない。まして千葉県にはプロ野球の千葉ロッテマリーンズやJリーグのジェフユナイテッド市原・千葉、柏レイソルなど他のプロスポーツクラブがひしめき合っている。

「娯楽」として見れば、東京ディズニーランドだってライバルになり得る。プロバスケの試合を「エンターテインメント」の括りで捉えるならば、千葉県でクラブを運営することは有利な条件とは言えなかった。

そこで、島田社長が口説き文句として使ったのが「打倒トヨタ」という分かりやすい目標だった。当時のバスケ界では選手サラリーの上限が決められていた事もあり、戦力の差を数値化して説明すると共に「我々ベンチャー企業が力を合わせて、世界のトヨタを倒しましょう」と伝えた。

会社としての規模ではトヨタの足元にも及ばなくとも、中小企業が一致団結し、バスケというフィールドで戦うならば、勝機はあるかもしれない――。このチャレンジ精神には賛同する社長も多く、スポンサーが次第に集まった。

こうして経営が軌道に乗ると、2015年にはリーグ屈指の人気を誇る富樫勇樹選手を獲得。新たなファンを獲得するとともに、チーム力の底上げにもつながり、人気、実力両面で確固たる地位を築いていった。

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