実業家の堀江貴文氏を主宰者とする、座学ではなく「行動」を目的とした通信制高校「ゼロ高等学院」が10月に開校する。運営元のSNS educationが26日に発表した。堀江氏は記者会見で、「中等、高等の教育改革は待ったなし。これからの時代に必要とされる人間を作りたい」と語った。
ゼロ高等学院は、堀江氏のネットワークなどを活かし、生徒が実際に会社や店舗で仕事を体験して社会参画できるのが特徴。宇宙ロケットの開発などを手がける企業のほか、和牛を生産する農家、東京・銀座の高級寿司店などの現場に出向いてプロの技術や知見を直接学ぶことができる。
既存の通信制高校と連携することで、在学中に社会活動へ参加しながら高校卒業の資格が取得できる。教師の代わりにオンラインで日々の相談ができるサポーターが、生徒1人に対して1人以上付く。入学できるのは高校未卒業者で、面談が必要となる。開校日は10月1日。定員は400人の予定で、公式ホームページ(https://zero-ko.com/)で入学者を募集している。
かねて「学校教育を壊す」と発言してきた堀江氏は、「AIやロボットの時代になると仕事がなくなり、社会が不安定になる。生き方をアップロードする必要がある」と指摘。テクノロジーの変化で働き方が多様化していることを挙げ、「人と同じ生き方をしなくても、協調性がなくても生きていける時代になった。普通科で無駄な3年間を過ごすのではなく、自分に合った生き方を探すことが大切。バラエティー豊かな選択肢を用意したい」と開校の目的を説明した。
堀江氏は「これからの時代に必要なのは知識ではなく教養。一方的な授業を受けるよりも、人生を変える本に出会うことの方が大切」とし、「座学で詰め込むよりも、行動できる人間が得する時代。そのための気付きやきっかけを与えてあげたい」と語った。