トランプ政権が引き金!? 間もなく起こるバブル崩壊、これだけの根拠

リーマン・ショック時の切れ者財務官が語る 世界経済の深層

米国の動きを注視せよ

リーマン・ショック後、世界経済は全体的に落ち込んだが、直接的な震源地である米国よりも、間接的に影響を受けたはずの日本の落ち込みの方が大きかった。もうさほど大きくないと思われていた貿易への影響が、依然として大きいことを証明してしまったのだ。篠原氏は「個人消費も設備投資もそんなに伸びているわけではない中で、日本の好景気を支えているのは依然として輸出です。半導体や自動車が好調で、特にアジア向けの輸出が大きい。ただそれは、日本発の自律的な景気ではない。逆に言えば、米国の景気が落ちてきたときが危ない」と「輸出頼み」な現状を危惧する。

リーマン・ショック後、世界の貿易が縮小していく中で、各国は保護主義を取らない姿勢を明確にした。ただし、トランプ米大統領は就任して以降、保護主義的な貿易を推進している。篠原氏は「トランプ政権の動きを見ると、次にショックが来た時の各国の対応が心配だ」と懸念を示す。

近い将来、バブル崩壊が再び起こるとすれば、我々はどう備えていけばいいのか。ヒントはやはり、米国の動きにありそうだ。「今、米国の労働市場は非常に逼迫していて、FRBは政策金利の引き上げを進めている。株価の動きを見ても、景気が徐々に減速していくと市場は感じています。繰り返しますが、バブル崩壊はいつ起こるかわからない。だからこそ、今のうちから弾けた時の対応を考えておく必要があります」

◆リーマン・ショック
2008年9月の米投資銀行リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの経営破綻をきっかけに、連鎖的に世界規模で発生した金融危機。米国で前年に表面化した低所得者向けの高金利住宅ローン「サブプライムローン」の焦げ付きによる住宅バブル崩壊がきっかけ。リーマンの負債総額は約6000億ドル(約64兆円)とされ、米政府も救済しなかった。世界中の株価が暴落し、金融システム不安から国際的な不況につながった。

◆篠原尚之(しのはら・なおゆき)リーマンショック
1953年山梨県生まれ。東大経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。2007年から2年間財務官を務め、G7・G8、G20などのプロセスに財務大臣代理として参画。10~15年はIMF(国際通貨基金)の副専務理事として加盟国の諸課題に携わった。

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