トランプ政権が引き金!? 間もなく起こるバブル崩壊、これだけの根拠

リーマン・ショック時の切れ者財務官が語る 世界経済の深層

「100年に一度」とも言われる世界的な金融危機「リーマン・ショック」の発生から今年で10年になる。世界中の金融市場を混乱させた未曽有の経済危機は、なぜ起こったのか。そして我々はここから何を教訓としなければならないのか。当時、財務省の事務方ナンバー2にあたる財務官として国内外を奔走した篠原尚之氏の話から、「リーマン・ショック」を徹底検証する。(Soysauce Magazine Online編集部)

リーマンショック
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リーマン・ショックの根底にあった油断、惰性

2008年9月15日月曜日、敬老の日。日本の金融市場は休日だったが、当時財務官だった篠原氏の元に米財務省の担当者から緊急で一報が入った。「リーマン・ブラザーズがチャプター11(連邦破産法第11条による会社更生手続き)を申請する」。米第4位の名門投資銀行の経営破綻という衝撃的なニュースは瞬く間に世界中に広がり、金融市場は凍結した。だがこの時、後に「100年に一度」とも言われるほどのインパクトを世界市場に与えることになるとは、誰も想像しなかった。

「リーマン・ショックの根底にあるのは『油断』や『惰性』、そして『慢心』です」。篠原氏は、リーマン・ブラザーズの経営破綻が世界規模の恐慌につながった要因として、各担当者の間にはびこっていた「楽観視」があったと指摘する。

そもそもリーマン・ショックは、米国で流行していた低所得者向け住宅ローン『サブプライムローン』の不良債権化が原因だが、サブプライムローン問題自体が表面化したのは07年夏。フランスの金融大手BNPパリバ関連のファンドにまつわる金融不安、いわゆる「パリバ・ショック」がきっかけだった。08年3月にはサブプライム問題から端を発した「ベア・スターンズ・ショック」も起きた。前兆はあったのだ。

篠原氏は言う。「サブプライムローンのバブルが崩壊するだろうというのはみんなわかっていた。複雑で透明性の薄い証券化商品という形についても、問題があるという声はあった。備える時間はいくらでもあった。だけど、いわゆる証券化商品というプロセスを経て、各金融機関が持ち合っている状況が崩れた時の『インパクト』についてまでは、まったく考えが及ばなかった。いや、『インパクト』はある程度は見ていたが、深刻さについてはまったく理解できていなかった。リーマン・ブラザーズについても、米国は潰さずに救済するだろうと誰もが思っていた。リーマン・ショックは、バブルが崩れた時の『インパクト』を過小評価し続けた結果なんです」

楽観視と裏腹に株価急落

リーマンショック負債総額は約6000億ドル(64兆円)とも言われ、史上最大の倒産となったリーマン・ブラザーズの経営破綻。同社発行の社債や投資信託を保有している企業への影響、取引先への波及などの連鎖が懸念され、世界各国の株安と債券安が進行し、金融危機は一気に広がりを見せた。だが当時の財務当局の間での「空気感」は、そこまで重いものではなかった。

篠原氏が明かす。「米国の中でどういうことになっていたのかを全部知っているわけではないですけど、少なくとも私が米国の担当者と話をしている感じでは、常に楽観している印象を受けた。米国の金融機関は監督もしっかりしているし、大丈夫だと。その背景には、2000年代のドット・コムバブル(ITバブル)の崩壊や、90年代後半のアジア通貨危機が起きた際に、いち早く立ち直らせ、ほとんど実体経済に影響を与えなかったという『成功体験』があったのではないかなと思います」

楽観視する当局者の思惑とは裏腹に、株価は下がり続け、NYダウ平均株価は半年後の09年3月にはリーマン破綻前の43.4%マイナスとなる6469.95ドルまで下落。日本はサブプライム関連の商品への投機が少なく、当初は比較的影響が少ないと見られていたが、特に輸出産業を中心に大打撃を受けた。日経平均株価は09年3月に7054.98円とバブル崩壊後最安値を付けた。為替相場では急速なドル安が進み、08年12月と09年1月には1ドル=87円台を記録。急激な円高により企業は海外に生産拠点を移すようになり、産業の空洞化が生まれて失業率も上昇した。

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